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雑誌目次

雑誌文献

病院58巻12号

1999年12月発行

雑誌目次

特集 医師養成と大学病院像

21世紀の医師養成と大学病院像

著者: 黒川清

ページ範囲:P.1106 - P.1110

20世紀とは
 わが国の20世紀を振り返ってみると,20世紀は明治維新以後の「脱亜入欧」を目指した急速な近代化の世紀であった.その中で取り入れられたシステムは,医学部を含めた大学にしろ,政治にしろ,欧米諸国の特徴をそれぞれの形で移入したものであり,大変効率的なシステムを構築したといえる.大学については医学部を含めて講座制を中心とした教授の権限と,また政府のコントロールの極めて強い国立大学を中心にして形成された「縦型」のシステムで,しかも当時は大学病院が医師の教育と研究の唯一の中心であったといえる.
 これに加えて江戸時代から続く日本人の精神構造に基づく村社会の形成と,「縦へと流れる」指令系統と,官僚が極めて強いというシステムが,近代化を一定の方向に強く,効果的に進めたことは明らかである.

臨床医の養成と卒前教育の新しい取り組み

著者: 神津忠彦

ページ範囲:P.1111 - P.1114

医学教育カリキュラム改革の動向
 1991年7月の大学設置基準大綱化を受けて,この数年来,全国の多くの医学部・医科大学で医学教育カリキュラム改革が進行しつつある1)
 多くのカリキュラム改革における共通の視点は,1)卒前医学教育の主たる目的を良医の育成におく,2)学識を関連づけて習得できるよう,カリキュラムを統合化する,3)問題を自ら発見し,解決する能力を養うために,自己開発型の問題解決学習を導入する,などである.

卒後臨床研修の動向

著者: 宮嵜雅則

ページ範囲:P.1115 - P.1118

 21世紀を目前に控え,少子高齢化の進展,疾病構造の変化,国民の生活水準の向上と意識の変化など,医療を取り巻く環境が大きく変化する中で,国民に良質な医療を安定的に提供するためには,それを担う医師の資質の向上が重要な要素の一つである.
 特に,医学・医療技術が飛躍的に進歩し,専門的な知識および技能が必要とされ,臨床医の専門分化が進む今日,卒業直後の医師としての基盤形成の時期に,将来の専門性を問わず,患者を全人的に診ることができる基本的臨床能力を身につけることの重要性が指摘されている.

大学病院経営と医学教育

著者: 柿田章

ページ範囲:P.1119 - P.1121

 近年,医療の高度化,かつ専門化の傾向の中にあって,若い医学徒には医学部卒業当初から専門家指向が強い傾向があるとされる.また一方で,特にプライマリケアを会得した能力の高い臨床医の養成は現在の社会のニーズでもある.
 昨今,これらのニーズに応えるべく研修医の必修化が議論され,今後のわが国の医師養成にかかわる大きな問題として検討が進められている.

医療機能評価における病院と医師の関係

著者: 今中雄一

ページ範囲:P.1122 - P.1126

 本稿では,特集テーマ「医師養成と大学病院像」の根底にある「病院と医師との関係」について論じる.医療技術の進歩や複雑化,財政逼迫などの環境の下,医療の質と経済性との両方が,そしてそのバランスが厳しく求められるようになり(図1),今後その傾向は強まるであろう.経済性や財政状況のほうが目に見えやすくわかりやすいこともあり,医療のプロフェッショナルが主体的,かつ積極的に取り組まねば,医療提供体制が財政主導で行われてしまう恐れがある.
 効率を保証し向上させるには,そのうえに臨床家個人の力のみならず,それを取り巻くシステムの影響力が大きくなってきている.すなわち,医療の質と経済性を高めるためには,自律性と責任をもったプロである医療者の専門的な能力を高めるとともに,医療を提供する場の質のマネジメントシステムを充実させることが一層重要になってきた(両者の関係を図2に示す).本論では,システムの評価・向上といった観点から,医療機能評価,「臨床統治」と臨床的オーディット,および国際標準・国際協調について述べる.

21世紀の大学病院に望むもの

著者: 今中孝信

ページ範囲:P.1127 - P.1130

 本年4月,東京で開催された第25回日本医学会総会のテーマは,「社会とともに歩む医学」であった.「医療における教育と福祉のセッション」で,シンポジウム「臨床研修の在り方」が組まれ,筆者は吉田修京大名誉教授と共同で司会をさせていただいた.
 従来,大学の卒前医学教育は優れた研究者を育てることを最優先してきたが,近年,高齢化社会の到来,患者の権利意識の高まり,医療費の高騰など,医療をめぐる諸問題が山積しており,よき臨床医を養成することを社会から強く要請されている.1991年の大学設置基準の大綱化によって医学教育改革は法的に認められ,各大学において種々の試みがなされているが,国家試験に合格した研修医が研修を開始する時に,病歴や身体所見を的確に取り,イニシャルアセスメントとプランができないのが現状である.

〈レポート〉研修医の評価による臨床研修病院のランキングの試み—7年間399人の研修内容調査票の蓄—積から研修病院はどうみえるか?

著者: 箕輪良行 ,   三宅由子 ,   吉新通康 ,   伊東紘一

ページ範囲:P.1131 - P.1135

 1980年代初めから,筆者らは自治医科大学を卒業した医師の臨床研修をめぐり,調査検討を重ねてきた1).研修医の自己評価を基にした研修到達度であるため,その信頼性や妥当性に関しても既に検討して,一定のレベルであることを実証した2).その結果,ローテイト方式の研修医の到達度ではストレート型に比して基本的診察法,基本的検査,基本的手技,基本的治療法で有意に高く,厚生省の臨床研修指定病院の一部に研修医の評価の高い病院,ローテイト型の研修方式で高い傾向があり,病院の規模,開設者,研修責任者などによる違いはないことが示唆された.
 ひとつの医科大学の卒業生に対して,臨床研修に関して毎年継続的にほぼ同一の研修項目を調査検討したものはわが国では見当たらない.筆者らの調査では長期にわたる研修内容の変化を観察して,改善や工夫があったかどうかを判断できた.また,自治医科大学卒業生の研修病院となっている各自治体における基幹病院での研修内容を,実際に研修した医師の視点から広く調査検討したものもない.したがって,地域的な広がりや時間という縦断性の点で筆者らが行った研修医による臨床研修内容調査は,わが国における一般的な臨床研修の実態の一断面を反映していると思われる.

グラフ

高齢患者さんに快適なケア・療養環境を提供—医療法人社団三喜会鶴巻温泉病院

ページ範囲:P.1097 - P.1102

 東京・新宿駅より小田急線急行で約1時間,鶴巻温泉駅に到着する.これより徒歩2分の位置に,医療法人社団三喜会鶴巻温泉病院がある.

HOSPITAL INDEX

救命救急センター設置状況・4

ページ範囲:P.1104 - P.1104

○高度救命救急センター
〔運営方針〕
 救命救急センターに収容される患者のうち,特に広範囲熱傷,指肢切断,急性中毒などの特殊疾病患者を受け入れるものとする.

主張

医療提供体制の変革と資格者養成のあり方

著者:

ページ範囲:P.1105 - P.1105

 超高齢社会を迎えようとしているわが国の社会保障制度は,好むと好まざるとにかかわらず大きな見直しが迫られている.2000年4月には介護保険制度が発足し,それとともに医療提供体制の大変革が徐々に具体化してきている.もちろん高齢者も若者もともに住みよい国であるためには,当然なんらかの改革が必要である.しかし,その改革の際には医療や介護サービスなどの質を落とさないことが第一である.限られた負担の中でサービスの質を落とさないためには,サービスの提供側がいかに効率的に働く人材を確保するかにつきる.
 現在展開している医療,福祉分野での有資格人材の配置が,今後展開する新しい提供体制とマッチしているであろうか.かつての極端な人手不足時代から,最近では徐々に量的には充足してきているのも事実である.しかし,医療や看護婦に見られるように地域偏在や施設偏在が強く,必ずしもすべてで充足しているとはいえない.そのうえ量的充足が達成されても提供されるサービスに合致した質を求めるとすればまだまだ十分でない.

特別寄稿

国立病院・療養所の再編成と独立行政法人化への動き

著者: 川野宇宏

ページ範囲:P.1136 - P.1142

 国立病院・療養所は,国として担うべき政策医療を実施する医療機関である.政策医療機能を担えない施設については,昭和61年より再編成計画に基づき再編成を進めてきており,本年3月には再編成計画の見直しを行い,そのいっそうの推進を図っているところである.また,近年の行政改革論議の中では,国立病院・療養所について,平成16年度に独立行政法人に移行することが決定されたところである.
 本稿では,国立病院・療養所の歴史を振り返り,これまでの再編成の動向を説明した後,独立行政法人化が決定されるまでの経緯,独立行政法人制度の概要を解説するとともに,国立病院・療養所の今後のあり方を踏まえ,独立行政法人化に向けた今後の取り組みの方向について展望することとしたい.

連載 医療事故・医事紛争防止とリスクマネージメント・12(最終回)

リスクマネージメントの構築(4)

著者: 川村治子

ページ範囲:P.1144 - P.1147

 先頃横浜市衛生局は,管轄する5病院のそれぞれにリスクマネジメント(以下,RMと略す)の実務担当者を専任で複数人配置することを決め,RM構築に向けて彼らに対する教育を開始することを発表した.横浜市立大学病院の事故を重く受け止めての市をあげての決断であろうが,一自治体が管轄するすべての病院にこうした人的配置を行い,RMに取り組むことはもちろん初めてである.設置主体を同じくする複数の病院で同時にスタートすることは,RMに関する経験や情報を相互に活用できるという意味でも画期的である.
 さて,これまで3回にわたってリスクマネジメントの構築について筆者の体験をもとに述べてきた.わが国の多くの病院に共通した人的制約の中で,いかにRMを構築するかを模索することが目的であった.看護部からスタートし,全体へと広げる方法をとったが,現在1年を経て,一般スタッフにRMに対する共通認識や自主報告制度への理解がおおむね得られ,各部門のRM担当者からなるRM部が形成され,事故やニアミスの自主報告から改善点を検討するための定期的な委員会が開催されるところまでこぎつけた.つまり,総意に基づいて,組織的な事故防止体制への枠組みができたところである.

アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第62回 秋田赤十字病院

設計のコンセプト

著者: 瀬川寛 ,   犬竹功

ページ範囲:P.1163 - P.1167

基本方針
 秋田赤十字病院は「健康と命を大切にする心の支えとなる療養環境」,「信頼・安心の得られる真の医療環境」,「ロングライフを目指し価値が継続する施設環境」をテーマに掲げ,秋田市の中心地より南東へ5kmの位置に移転新築した496床の総合病院である.
 当院は,人道博愛奉仕の赤十字理念に基づき,秋田の中核的病院として活躍し,人々に愛され続けてきた存在である.設計に当たっては,温かい医療を人々に提供しようとしている当院の意志を実現できる医療施設にするため,様々な特徴ある試みと工夫をしている.

扇型4床室導入の経緯とその評価

著者: 宮下正弘 ,   石塚睦

ページ範囲:P.1167 - P.1171

 入院環境は,時代の背景や社会の変化,そして保険制度の改正などを要因に変化しますが,患者にとっては,日常生活や日常感覚をできるだけ奪われず,また,それぞれの患者にとって設備および環境が同距離で同等であることが重要です.しかし,療養の場としての治療と看護行為などが円滑に行われるために備えなければならない機能と,患者の設備・環境との両者を兼ね備えなければならないことはいうまでもありません.

院内感染対策・6

東京大学医学部附属病院分院の院内感染対策—2.感染防止と医療チームの協力体制の重要性について

著者: 荒野敬子 ,   加藤良樹 ,   山本健二

ページ範囲:P.1172 - P.1174

 院内感染対策には,組織化された委員会の設置と実践活動の重要性を示唆されて久しい.その意味で,1983年から開催されている「東八幡平シンポジウム」1)の存在の意義は大きい.また,1996年,小林による「厚生科学研究調査」の報告2)には,わが国における「感染対策委員会をもつ病院は445回答中414施設で93%.活動状況として十分機能していると答えた施設は,409回答中93施設で22.7%であった」とある.この結果より,委員会はあるが機能に問題がある施設の多いことが示されている.当院は病床数250床と規模は大きくないが,それゆえの利点と思われる情報の早期伝達,対策の早さを目指し実践活動を行ってきた.その活動を紹介し,さらなる躍進のための課題を検討する.

病院管理フォーラム Hospital Administratorへの道・12

中小専門病院におけるadministratorの役割とは

著者: 中嶋照夫

ページ範囲:P.1148 - P.1149

 本シリーズも今回で最終回を迎えることになり,第1回以来既に11回にわたり,hospital administratorへの道が説かれてきた.シリーズの目的は,「新しい時代の中でhospital administratorを目指す人々へ,基本的な考え方,態度,知識,そしてノウハウなどの指針を提供する」ことであった.その内容はこれまでに日本病院会の「病院管理者協議会」メンバー(病院会主催の「事務長養成課程修了者」)によって書き続けられて既に言い尽くされており,最終回にあえて書き加えることは残っていないように思われる.それでも筆者は,今後ますます経営環境が厳しくなると予想される「地方都市における中小専門病院」の立場から若干の意見を述べ,シリーズのまとめとさせていただきたい.しかしながら筆者自身は事務次長の身であり,このシリーズに寄稿を依頼されたこと自体身に余る光栄である.したがって中小病院の実情と,そこで発揮されるべきadministratorの役割について筆者自身の努力目標をも含めて述べさせていただく.

経営管理—職員活性化の歩み・3

当たり前のことを当たり前に

著者: 田岡輝久

ページ範囲:P.1150 - P.1151

 坂出市立病院はわずか数年の間に,巨額の不良債務を抱えたどうしようもない赤字病院から,全国の自治体病院の中でも屈指の経営優良病院に生まれ変わった.きっと読者諸氏は多くの自治体病院が赤字で苦しむ中,「なぜ坂出市立病院が短期間で黒字経営に転換できたのか」をお知りになりたいかと思う.しかし,この5年間,診療部長として病院経営健全化にかかわってきた筆者としては当院が特別なことをしてきたとは思わない.ただ,職員全員が病院の基本理念を念頭に,その実現に向けて,「当たり前のことを,当たり前に」してきただけである.
 本稿では,「患者および地域の住民」のために今までやってきたことをいくつか紹介するとともに,坂出市立病院という組織の活性化を図るうえで「一体何がよかったのか」についての私見を述べたい.

看護管理・21

中規模病院における院内看護研究の経過と現状(3)

著者: 小﨑征子

ページ範囲:P.1152 - P.1154

 前回は,当院で取り組んできた院内看護研究のうち,平成3年から取り入れた研究計画書を中心に述べた.今回は,平成9年に行ったことについて述べたい.
 院内研究の指導者については常に頭を悩ますが,病院の事情がわかったうえで研究のプロセスを共に歩んでくれる指導者を院外から求めることは,実際にはなかなか難しい.そこで,平成9年度には,看護を指導していく管理者(婦長・主任)が臨床研究の指導者になり得ると考え直して,年間の管理者向けの計画書を立案した.そして,研究のプロセスを丁寧に踏むことで,研究らしいものが望めるのではないかと期待した.それを推進する状況作りとして管理者用の計画書,「看研(看護研究)だより」の作成,文献,研究計画書のモデルなどの紹介を積極的に行った.

リスクマネジメントの実践・5

武蔵野赤十字病院の看護部門におけるリスクマネジメント(2)

著者: 増子ひさ江

ページ範囲:P.1155 - P.1157

 輸血事故が新聞に報じられた日の午前10時ごろ,リスクマネージメントナース(RMNs,58巻11号で紹介)が,当院の輸血がどのように実施され,血液型の確認がどのようになされているかを報告にきた.輸液ポンプのチューブが外れた事故報道の時も同じように報告があった.RMNsは病棟を一巡し,看護婦に注意を呼び掛けながら,当院の実態をつかんで報告してくれたのである.RMNsの主体的な活動の一面である.
 1996年度,事故防止対策委員会を設置し,取り組みを開始してから,今年が5年目となるが,組織的に活動する意識の基盤がようやくできつつある.

Principle 病院経営・12

いま病院に望まれる運営システム(1)

著者: 谷田一久

ページ範囲:P.1158 - P.1159

 早いもので,本連載を始めて1年が経過することになった.これまでは,病院経営に対する基本的な考え方から,技術的な内容まで幅広く扱ってきた.この辺で筆者の考える病院経営論の中から,運営システムについてその全体像を概観してみることにしよう.いうまでもないことだが,これから述べることは筆者の病院経営論であって,一般化されているわけではない.賛同していただいている病院経営者も多数存在するが,そうでない病院経営者もその数十倍は存在するであろうという代物である.批判的な視点でみていただきたい.

病院ボランティアの提案—東札幌病院・6

共に過ごす・6—「生」を支える活動

著者: 斉藤悦子 ,   石垣靖子

ページ範囲:P.1160 - P.1160

 東札幌病院では入院患者の約55%は進行・末期がんの患者で,亡くなられる方も1か月に20人を超えることもまれではない.病院で最期を迎えるそれぞれの人にとって,人生の最期の日々が可能な限りそれまでのライフスタイルが尊重されることは大きくQOLに影響する.言葉を換えると,それまでの日常生活の中で大事にしてきたことがその時期になっても尊重されることで,それはとりもなおさずその人がかけがえのない1人の存在として尊重されることでもある.ボランティアたちはその人たちの最期の生を支える大切な活動にも参加し,お互いに意味のある生を共有し,相互の成長にかかわっている.

癒しの環境

安全,安全,安全

著者: 小泉和正

ページ範囲:P.1161 - P.1161

安全は忘れられがち
 人の心を癒すには,五感に快い刺激を与えたり,生きる勇気・張りを与えることであると考えているが,意外に忘れられがちなのが不安を取り除くこと,すなわち「安心」,「安全」を与えることである.安全を基本ベースに医療が成り立ち,そのうえで様々な癒しが必要になってくるが,「天災は忘れた頃にやって来る」の格言どおり,普段は安全の重要性について忘れられがちである.

資料

病院経営と自己診断・1

著者: 米田啓二

ページ範囲:P.1175 - P.1179

病院の経営診断
 1.病院業務と自己診断—メリット
 昭和26年,日本経済社から発行された経営合理化全集に『経営診断法』という上田武人氏の著書がある.これによれば,診断という言葉は,経営体を人体に見たてたものであるが,実態を知るにはよい言葉であるとし,経営診断の二つの種類について次のように述べている.

民間精神病院はいま—21世紀への展開・20

松原病院の過去と未来—治療の場を病院から地域へ

著者: 松原三郎

ページ範囲:P.1180 - P.1184

 当院は遅ればせながら,ようやく,新築・改修工事に入る予定であり,現状の治療環境は十分に整備されているとはいえない.この点,当院は本シリーズの対象病院として相応しくないかもしれない.しかし,松原病院グループが過去40年にわたって,北陸3県全体を視野に入れながら,総合的に行ってきた地域精神医療と,さらに,当院が特に力を注いできた治療ソフト面の改善内容を紹介することは,民間精神科病院の将来像を検討するうえでは意義のあることと思う.

医学ごよみ

12月—December 師走

著者: 木村專太郎

ページ範囲:P.1185 - P.1185

 今回で6年間続いたこの連載も,最終回を迎えることになった.過去20年間,こつこつと集めた文献をもとに,多くの方々の激励を糧に,6年間「医学ごよみ」を書き続けることができたことを感謝したい.
 今月は12月4日・ティンダルの命日と,13日・モーニッツの命日について述べたい.

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「病院」 第58巻 総目次

ページ範囲:P. - P.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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