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特集 病院として介護保険にいかに対処すべきか
病院として介護保険にいかに対処すべきか—介護療養型医療施設の立場から
著者: 日野頌三1
所属機関: 1頌徳会日野病院
ページ範囲:P.524 - P.527
文献購入ページに移動 標題によると筆者が介護療養型医療施設を介護保険のもとで運営していく方針であるかのように思われるだろうが,決してそうではなく,むしろ介護保険には乗らない方向で考えているのだが,どうしてそう考えているのか,その理由を以下に書き記していきたい.内容には対処方法のヒントも含まれてはいるが,もちろん「介護保険入門」のハウツーものではない.
断っておくが,筆者は「介護保険」が旗揚げの時期に説明されていたように,一貫性を持ったスッキリしたものに仕上がってきていたら,当初のまま,もろ手を上げて賛成しようと考えていた者の1人である.医療保険制度が制度疲労を起こしていることは理解しているし,高齢者に,不必要な「医療」が提供されているという「むだ」もよく知っている.しかし,度重なる介護保険のスタンスの変更の中で,ついに,といってもいいような「医療法上」の「長期慢性病棟」が現れたのにはあきれてしまった.「社会的入院」を廉価で認めようという苦肉の策か療養型病床群の廉価版なのかわからない.医療保険のままで生き延びる道も開かれたという意味では医療界には朗報ととる施設もある.
断っておくが,筆者は「介護保険」が旗揚げの時期に説明されていたように,一貫性を持ったスッキリしたものに仕上がってきていたら,当初のまま,もろ手を上げて賛成しようと考えていた者の1人である.医療保険制度が制度疲労を起こしていることは理解しているし,高齢者に,不必要な「医療」が提供されているという「むだ」もよく知っている.しかし,度重なる介護保険のスタンスの変更の中で,ついに,といってもいいような「医療法上」の「長期慢性病棟」が現れたのにはあきれてしまった.「社会的入院」を廉価で認めようという苦肉の策か療養型病床群の廉価版なのかわからない.医療保険のままで生き延びる道も開かれたという意味では医療界には朗報ととる施設もある.
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