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文献概要
特集 改めて癒しの環境を問う
癒しの音環境デザイン
著者: 上原和夫1
所属機関: 1大阪芸術大学音楽学科
ページ範囲:P.840 - P.842
文献購入ページに移動われわれ現代人にとって癒しを感じさせる音は,やはり大自然の様々な営みがもたらす渓流の音や鳥のさえずりなどの自然音であり,また伝統的な文化が育んできた寺の梵鐘などの精神性を持つ響きなどであろう.しかしながら今日では,われわれを取り巻く音の環境は機械文明全盛の中で大きく変化し,もはや自然音や伝統的な音を明瞭に聴き取ることは極めて困難な状況にある.とりわけ無数の人工音に取り囲まれた大都市の音環境は,人々に精神的にも生理的にも過度の負担を強いており,音の存在が重大なストレス要因にもなっている.
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