icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院58巻9号

1999年09月発行

病院管理フォーラム リスクマネジメントの実践・2

武蔵野赤十字病院におけるメディカルリスクマネジメント(2)

著者: 三宅祥三1

所属機関: 1武蔵野赤十字病院

ページ範囲:P.860 - P.861

文献概要

(8月号より続く)
リスクマネジメント体制をどのように構築するか(承前)
 インシデントレポートは原則として自主的に提出してもらうことにしているが,各科の部長をリスクマネージャと位置づけて,問題のある医療行為については部長が医局員にレポートを書くように促して欲しいと依頼した.しかし,最初の3か月はほとんど提出がなかった.そこで,筆者が部長会で「インシデントレポートの提出がなくて,患者からクレームがきた場合には,担当部長の管理責任を問います.ですから,各科の部長は医局員の医療行為を十分に把握して,問題がある場合はレポートを書かせるように指導して欲しい」と依頼した.また,個人を責めないことも強調した.さらに,いろいろなルートから筆者に情報が入ると,筆者が直接担当医に連絡し,インシデントレポートを提出するように依頼した.そのような状況のなかで,少しずつレポートが提出されるようになっていった.とりわけ,一つの科のリスクマネージメント委員会のメンバーが熱心にレポートの提出を促してくれた.これが呼び水のような働きをしたのか,次第にレポートの提出量が増えてきた.これは医師たちの医療事故防止に対する意識が少しずつ高まってきた証拠であろうが,レポートを書くことの意義を理解してくれてきている証でもあり,レポートを書く心理的負担が少しずつ軽くなってきたのではないかとも思い,スタッフ各位に感謝しているところである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら