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病院管理フォーラム Hospital Administratorへの道 part2・10
病院経営に携わって(2)
著者: 相田俊夫1
所属機関: 1財団法人倉敷中央病院
ページ範囲:P.894 - P.896
文献購入ページに移動前号では,ホスピタルアドミニストレーター(以下HA)の職務責任として経営計画,人的資源,組織・風土,財務体質,効率,ハード,ステークホルダー,危機管理,倫理の9項目を列挙したが,本号においてはそれらのいくつかについて述べてみたい.
HAが深くかかわるのは,医療行為そのものではなく病院事業である.すなわち,病院事業の質をいかに高めるかが最大の職務責任といえる.筆者は,病院質業の質は提供する医療の質と経営の質の2要素から構成されると考える.医療の質は,日本医療機能評価機構の解説書によれば医療技術,患者対応,アメニティから成り.HAは当然これらに対して,人的資源やハード整備,さらには患者対応システムや教育体制,日常事務部門業務などを通じ深くかかわっていかなければならない.しかしHAの最大の任務は,病院事業の質を構成するもう一つの要素である経営の質に対してである.優れた医療を提供できる病院に優れた経営の質が加わったとき,病院は事業として成功し,将来にわたって優れた医療を提供し続けることができる.
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