icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院59巻5号

2000年05月発行

文献概要

癒しの環境

患者が選ぶアートの基準

著者: 林容子1

所属機関: 1アートウッズ

ページ範囲:P.435 - P.435

文献購入ページに移動
 病気の床に臥せている患者は自分の病室のためのアートをどのような基準で選ぶだろうか? アメリカで250以上の病院のアートプロジェクトを手がけたASTHETIC社の調査によると,ほとんどの患者は自らの病気を癒すことに役立つアートを求めるとのことである.アートに実際に病気を治す力があればそれに越したことはないが,「病は気から」といわれているくらいであるから,鑑賞することによって病気が治るような気がするものもこれに含まれよう.例えば,薬草をモチーフにして,それぞれに薬草の効用を書き込んだ作品や,今流行りのいわゆるヒーリングやリラックス効果をもたらすものをモチーフにしたもの,あるいは,宗教の逸話で病が癒される話を描いたものもこれに含まれる.
 一般に自然を描いた作品が患者によい影響を及ぼすといわれる.99歳で亡くなった祖父は,生前入院したとき自分の病室に母の撮ったニッコウキスゲの写った山の写真を掛けていた.退院するときに,「この個室にはこの写真が必要です」といい,躊躇する母を説得して無理やり病室に置いてこさせたほどだった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら