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病院管理フォーラム 看護管理・29
看護の質を高める—看護理論を土台にして(1)
著者: 根本多喜子1
所属機関: 1前:東京衛生病院看護部
ページ範囲:P.714 - P.715
文献購入ページに移動 2000年を迎えたと思ったのも束の間,あと数か月で21世紀を迎えるところまできてしまった.医療・看護を取り巻く情勢は相変わらず厳しく,その中で,患者に選ばれ,信頼される病院として生き残っていくために,どの病院も必死の努力を続けている.利用者に信頼される第一の条件はその質であろう.病院職員の半数以上を占める看護部門の管理者としては看護の質をどのように高め,維持していくかが日々の課題である.
当院では,10年ほど前からシスター・カリスタ・ロイの適応看護理論を導入し,理論を土台にして患者さんのニーズをアセスメントするということに取り組んできた.看護は人間を対象とし,しかも,心身共に病む人を対象とすることが多く,患者やその家族と医療従事者の織りなす人間関係には複雑なものがある.そこで,人間を理解するということが非常に大切なこととなる.その人間理解という観点からも統合的に人間をとらえようとしているロイ理論は示唆を与えてくれるものが多いと考えた.さらに,この理論は当院の理念である全人的医療の実践に活用でき,ひいては看護の質を高めることになると考えた.この理論導入に至る経緯と導入によって得られた成果について述べたい.
当院では,10年ほど前からシスター・カリスタ・ロイの適応看護理論を導入し,理論を土台にして患者さんのニーズをアセスメントするということに取り組んできた.看護は人間を対象とし,しかも,心身共に病む人を対象とすることが多く,患者やその家族と医療従事者の織りなす人間関係には複雑なものがある.そこで,人間を理解するということが非常に大切なこととなる.その人間理解という観点からも統合的に人間をとらえようとしているロイ理論は示唆を与えてくれるものが多いと考えた.さらに,この理論は当院の理念である全人的医療の実践に活用でき,ひいては看護の質を高めることになると考えた.この理論導入に至る経緯と導入によって得られた成果について述べたい.
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