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アメリカでの見聞(6)
著者: 尾村偉久1
所属機関: 1厚生省國立療養所
ページ範囲:P.31 - P.36
文献購入ページに移動社會復歸については後療法の制度はアメリカでは採らず後保護施設は全般的には進んでおりません。私の會つたところでは,特別に就職に困る患者で,しかも排菌者ばかりを集めて一つの工場を作るというような考を持つた人はいなかつたのであります。それより治療期間をできるだけ短縮するに越したことはない。ことに,まアメリカでは失業者は殆どありませんから,出て行けばすぐ職にありつける。その間に社會生活の恢復ということを同時に併行してやつてゆくということをやつているわけであります。種目は千差萬別で木工工場があつたりして皆樂しくおかしく手仕事を覺えております。机を作つたり,いろいろな調度品を作るということを盛んにやつております。
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