文献詳細
--------------------
文献概要
Ⅰ
病院は"病人のホテルである"—という言葉を最近,よく聞くようになつた。これはアメリカあたりの病院のあり方が,患者本位にできていて,ホテルに泊つたときのように,サービスもゆき屆き,よく面倒をみるので,患者としても,どこかの國のように,ちつとも"幽閉感"などを感じることなく,のびのびと療養ができるようになつてるからに違いない。
私はいま"幽閉感"といつたが,日本の病院のすべてに幽閉感があるといつたのではなく,もしそんなものがあるとすれば,むしろわれわれ患者側にあることをいいたいのである。それは,なぜだろうか。理由は,極めて簡單である。これを一口にいえば,日本の患者は"貧乏"だということである。日本の患者が貧乏だということは,日本人の收入が低く,生活水準が戰前の75パーセントあたりを,いまだに彷徨しているということに關係がある。
病院は"病人のホテルである"—という言葉を最近,よく聞くようになつた。これはアメリカあたりの病院のあり方が,患者本位にできていて,ホテルに泊つたときのように,サービスもゆき屆き,よく面倒をみるので,患者としても,どこかの國のように,ちつとも"幽閉感"などを感じることなく,のびのびと療養ができるようになつてるからに違いない。
私はいま"幽閉感"といつたが,日本の病院のすべてに幽閉感があるといつたのではなく,もしそんなものがあるとすれば,むしろわれわれ患者側にあることをいいたいのである。それは,なぜだろうか。理由は,極めて簡單である。これを一口にいえば,日本の患者は"貧乏"だということである。日本の患者が貧乏だということは,日本人の收入が低く,生活水準が戰前の75パーセントあたりを,いまだに彷徨しているということに關係がある。
掲載誌情報