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琉球弧から・11
IT(情報技術)とQOM(医療の質)〈その3〉質から価値へ
著者: 天願勇
所属機関:
ページ範囲:P.1007 - P.1007
文献購入ページに移動厚生労働省の人口動態調査によると,1999年に死亡した人のうち,自宅で亡くなったのは15%,病院などの施設では82%に上る.1951年には在宅死83%,施設死12%で,50年足らずの間に比率は逆転した.
病院で死ぬというと身体中に挿管されて(スパゲティ症候群),病院や医師の管理下で,患者には自由やプライバシーはほとんどないのが現状である.患者・家族の病院に対するやり場のない不満と,病院に行けば安心するという病院信仰が裏腹になって,病院死が増えてきた.だからといって,在宅死を望む高齢者が減っているわけではない.本当は言いたくても「家で死にたい」と言えないのが実情で,家族がいない!家族に迷惑をかける!助けてくれる友人が近くにいないなどの理由から,在宅死は減少してきたのではないだろうか.
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