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文献詳細

雑誌文献

病院60巻12号

2001年12月発行

文献概要

連載 事例による医療監視・指導・23〈最終回〉

信頼に基づく医療の重要性

著者: 桜山豊夫12

所属機関: 1前東京都衛生局医療計画部医務指導課 2八王子保健所

ページ範囲:P.1066 - P.1067

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 私事で恐縮ですが,家で飼っていた3か月の子猫が死にました.妻が道端で拾って,ピッコロと名づけられたその猫は,呼吸困難を繰り返したため,懇意にしている獣医さんの診察を受け,横隔膜ヘルニアで,腸管のほとんどが胸腔内に脱出していることが判明し,手術を勧められました.比較的元気にしていたのですが,そう難しくない手術ということで手術を受けました.ところが予想以上に肝臓と横隔膜の癒着が激しく,剥離中に心停止を来して術中死したものです.たかが子猫の死というものの,内田百間の「ノラや」ではありませんが,気分は千々に乱れます.
 筆者は,獣医学は専門ではないものの,その周辺領域でもある医学を一応は学んでおり,一般の患者(患畜?)のご家族よりは手術に伴う危険も認識していたと思います.また執刀してくださった獣医さんは以前から懇意にしており,十分に信頼を置いています.知識もあり,主治医との信頼関係があっても,しかし,それでもなお気分は乱れるのです.保存的治療を選択すべきではなかったか.手術の時期は適切だったか.無理に剥離しないで閉じるべきではなかったか…….

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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