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文献詳細

雑誌文献

病院60巻5号

2001年05月発行

文献概要

医療従事者のための医療論理学入門

16.終末期医療における倫理的決断(4)—判断能力を有する患者の延命治療に関する判断—自殺の倫理的許容性について

著者: 浅井篤1 大西基喜2 福井次矢3

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻医療倫理学 2京都大学医学部附属病院総合診療部 3京都大学大学院医学研究科臨床疫学

ページ範囲:P.455 - P.457

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 前回は,自殺とは何か,治療拒否は自殺にあたるのかについて考察した.そして,自殺を,人が一義的な意図がなんであれ,1)確実に死ぬとわかっている行為を行うこと,2)行わなければ確実に死ぬとわかっている行為を行わないこと,または,3)行わなければ確実に死ぬとわかっている行為を,他者にやらせないこと,と定義するのが最も適切であり,治療拒否と自殺には倫理的差異は認められないと結論した.本稿では,自殺が倫理的に許容される否かを検討し,O氏の治療拒否の倫理的正当性に関する結論を述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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