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医療従事者のための医療倫理学入門
20.人工妊娠中絶に関する倫理的問題
著者: 浅井篤1 大西基喜2 福井次矢3
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻医療倫理学 2京都大学医学部附属病院総合診療部 3京都大学医学部附属病院臨床疫学
ページ範囲:P.827 - P.829
文献購入ページに移動総合診療科レジデントのA医師が内科救急外来の当直をしていた夜,20代前半の女性が腎盂腎炎と診断され緊急入院した.
翌朝には状態が安定した.A医師との話し合いの中で,彼女はつい最近月経が遅れ,市販の検査キットで尿を調べたところ妊娠していることがわかったと述べた.A医師は使用薬物や発熱が胎児に及ぼす可能性について説明しようとしたが,患者は「自分は妊娠中絶をするつもりである」という.そして,見舞いに来る親にも自分が妊娠している事実や中絶する意図について黙っていて欲しいとA医師に頼んだ.A医師はどうするべきだろうか?
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