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文献概要
事務長の医療よもやま話・9
温泉は医療費を削減できるか?
著者: 岩﨑公平1
所属機関: 1医療法人桃花会一宮温泉病院
ページ範囲:P.845 - P.845
文献購入ページに移動かつて竹下元首相がふるさと創生資金と称して日本全国の各市町村に1億円ずつばらまき,まち興し事業を行った.1億円の金塊を購入し,展示した金塊を町民に直に触らせるようにした町もあったが,日本人の風呂好き,温泉好きに着目し温泉を掘った市町村は数多い.温泉施設建設は,住民で反対する人はまずいない.市町村長の選挙票に確実につながる.
温泉を掘り当てるには地下500m以上の深さまで掘らなければならず,もし温泉に当たらなければ以前は億単位の事業費がむだとなっていた.掘りたいと思っていても,もし失敗したら億の金をパーにし責任を問われることになるので,市町村長は二の足を踏んでいた.が,ふるさと創生資金の頃から,井戸掘り業者も成功報酬制を取るようになり,市町村長のリスクも減り,一気に温泉掘削ブーム,ここ掘れワンワンブームが湧き起こった.全国3,232市町村のうち温泉施設を持つ市町村は2,184と68%もある.
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