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特集 療養病床の行方
療養病床の経営分析
著者: 栗村幸雄1
所属機関: 1特別医療法人即仁会医業経営研究所
ページ範囲:P.546 - P.552
文献購入ページに移動第4次医療法の改定で患者の病態に応じた病床区分の見直しを行い,従来の「その他の病床」を,主として長期にわたる療養を必要とする患者を入院させる「療養病床」と,それ以外の「一般病床」に区分した.各病院はそれぞれの療養環境の特性に応じた人的配置や構造設備の基準を定め,平成15年8月31日までに「療養病床」または「一般病床」のどちらかに移行させなければならない.一般病床の基準を満たせない病院は療養病棟か老人保健施設やケア付きマンションに転換するか,病棟閉鎖の選択が迫られているが,大部分は療養病棟に転換するものと予測している.
平成4年7月に療養型病床群の制度が開始され,平成10年4月から診療所の療養型病床群も新設され,まだ歴史は浅いが平成13年9月には233,962床と大きく数を伸ばしてきた.その背景には,①一般病床においては平均在院日数や看護体制の縛りがきつくなってきたこと,②逓減制が導入され一般病床に長期入院の患者に対する入院時医学管理料が大幅に減額されることになったが,慢性疾患の老人が多く入院している療養病棟においては減額幅が比較的緩やかであったことなどが挙げられる.
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