IT革命は病院医療をどう変えるか・14
四国4県の電子カルテネットワーク
著者:
原量宏1
近藤博史2
石原謙3
瀬戸山元一4
所属機関:
1香川医科大学医学部附属病院医療情報部
2鳥取(前徳島)大学医学部附属病院医療情報部
3愛媛大学医学部附属病院医療情報部
4高知県・高知市病院組合
5(財)四国産業技術振興センター
ページ範囲:P.666 - P.670
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最近,医療の領域におけるIT化への関心が急速に高まっている.内閣直属の「IT戦略本部」においては平成13年1月にe-Japan戦略を発表し,平成17年までに世界最先端のIT国家となることを目標に掲げている.それに伴い,各省庁においてIT化に関する実行計画が作成され,経済産業省においては医療のIT化への取り組みとして,昨年度「先進的IT活用による医療を中心としたネットワーク化推進事業—電子カルテを中心とした地域医療情報化」のプロジェクトが進められた.厚生労働省は「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン」を発表し,その中で電子カルテ・レセプト電算化などの医療のIT化を積極的に推進するとし,平成16年度までに全国の2次医療圏ごとに少なくとも一施設に電子カルテシステムの普及を図り,平成18年度までに全国の400床以上の病院と全診療所の6割以上に普及させるとしている.国民がIT化を望む分野に関しての調査でも,福祉・医療への関心は非常に高く,医療IT化への積極的な取り組みが待たれている.
医療ITといった場合その意味するところは広く,当初は大病院を中心としたオーダリングシステムやレセプトコンピュータが中心であったが,その後遠隔医療,電子カルテ,そして最近は電子カルテのネットワーク化に重心が移っている.