文献詳細
文献概要
事務長の医療よもやま話・7
リスクに付けるクスリ
著者: 岩﨑公平1
所属機関: 1医療法人桃花会一宮温泉病院
ページ範囲:P.685 - P.685
文献購入ページに移動牛肉のBSE問題から派生して,外国産を国産とした偽装事件が起こったのは記憶に新しい.われわれ消費者は「販売者の表示は正しいだろう」と鵜呑みにして買う.肉を見て外国産か国産かはまず見分けはつかない.表示を信じるしかない.だぶついた国産牛を国が買い上げる制度を悪用し,外国産を国産と偽って申請すると国から補助金が出るから,会社ぐるみで偽装工作をする.BSE問題で牛肉の売り上げが極端に落ち牛肉業者は痛手を被り,なんとか収益を上げようと文字どおり「苦肉」の策を講じた.それも消費者が信頼を寄せていた大手の会社がである.
大豆などの遺伝子組み換え食品は表示が義務づけられているが,もし偽って表示されていても消費者はわからない.罰則規定があっても車の速度違反と同じで,たまたまパトカーに見つからない限りまかり通る,と疑ってかかるのが安全なのかもしれない.
掲載誌情報