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連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第95回
米国のヘルスケア建築の現状と今後の動向
著者: ヴァーダパーステイーブン1 長澤泰2 吉田真由美3
所属機関: 1トゥーレン大学 2東京大学工学系研究科建築学 3東京大学工学系研究科建築学長澤研究室
ページ範囲:P.756 - P.762
文献購入ページに移動これらの米国での変化は,1983年に導入されたDRGs (Diagnostic Related Groups:疾患群別定額支払制)として知られる連邦政府のコスト押さえ込みの法律,そして過剰な医療費の削減を目指した関連法に多くの源を発している.それ以前の米国の病院では,入院治療を前提にして,収容し得る限り多くの患者の面倒をみる,という考え方が広く受け入れられていた.DRGs導入後すぐに入院期間が最大の関心事として顕在化した.昔は患者が医師から2週間の入院を言い渡されれば,病院に2週間滞在できた.しかし1983年以降は状況が変わり,ますます非医療職(保険会社や連邦政府)が患者の入院許可期間をきっちりと決定し押し付けるようになった.かつてはベッド数は多ければ多いほうがよかったのである.
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