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連載 病院管理フォーラム 看護管理=病院のDON・25
苦情対応のマネジメント
著者: 小山秀夫1
所属機関: 1国立保健医療科学院経営科学部
ページ範囲:P.60 - P.61
文献購入ページに移動「苦情は宝」という言葉がある.確かに,患者サービスの質向上のためには,苦情を大切にする姿勢を病院職員全員で共有することが必要である.そして,直接,多数の苦情に対応するのも,苦情対応のマネジメントを行うことも,DONの重要な業務の一部である.医療提供の場である病院における苦情は,患者や家族をはじめとする消費者の医療サービスに対する不満足であり,患者や家族の不安を解消できなかったり,期待通りのサービスが受けられなかったり,どうしても納得ができないという状態,または,その過程で期待や要求に応えてもらえなかったと感じる場合に起きるものである.
サービス業や製造業では,顧客からの苦情は付き物であり,クレーム処理のための専任の職員が配置されている場合が多い.最近では,医療もサービス業であることが定着しつつあることは確かだろう.医療提供を受ける側にも,サービスの消費者としての意識が定着してきている.そこで,一般企業に見習って,苦情処理の担当者を配置する病院も見受けられる.しかし,病院では,やはり不満を苦情として表現できない患者や家族がいることを忘れてはならないと思う.
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