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特別寄稿
FMEA(失敗モード影響分析法)の医療領域への応用
著者: 相馬孝博1
所属機関: 1国立保健医療科学院政策科学部安全科学室
ページ範囲:P.850 - P.854
文献購入ページに移動FMEA(failure mode effect analysis:失敗モード影響分析法)1)は,「製品」の信頼性を確保するために,工学分野で開発された分析手法である.ISO(international organization for standardization:国際標準化機構)9000シリーズ適用の品質管理プログラムにおいても,FMEAの活用が明記され,製造業を中心にして,世界中の多くの産業で品質改善に利用されている.
大雑把に分けると,製品計画から設計の段階では設計FMEAが,製造(建設)から運用の段階では工程FMEAが用いられている.いずれにせよ,「製品」の全ライフサイクルにわたり,起こり得る不具合(failure)を未来予測して,望ましくない影響の分析(effect analysis)を行い,製品信頼性を向上させることに主眼がある.この不具合は英語ではすべて「failure mode 」であるが,設計FMEAでは故障モード,工程FMEAでは不良モードと呼ばれており,医療をはじめとするサービス産業では,最終生産物が物質でないので,本稿ではこれを「失敗モード」としておく.
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