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連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第110回
英国におけるPFI:将来の可能性と世界への適応性
著者: ナイチンゲールマイク1 長澤泰2 岩谷純子1
所属機関: 1ナイチンゲール ・アソシエイツ社 2東京大学工学系研究科建築学専攻
ページ範囲:P.1042 - P.1048
文献購入ページに移動PFI(Private Finance Initiative)は民間の資金を主だった公共建設事業に活用するための方策として,1994年から1996年にかけて英国の最も最近の保守党によって考案された.
当然ながら,世の中には全くの新しい発明など存在しないわけで,過去には多くの類似した考えが,かなり世界の数々の地域で適用されてきた.オーストラリアにおけるDBFO(Design Build, Finance and Operate:設計施工・融資・経営)は,その一例である.
PFIが新しい点は,その構想の規模と対象にある.また,それが英国の大規模事業の建設方法として急速に普及するようになった事実である.
初期段階の計画は,比較的単純な(しかし大変大規模の)社会資本整備に絞られており,ドーバー海峡トンネルはその一例である.
初期の成功例は,財政面での厳しい批判を浴びたものの,後には,より複雑で洗練された継続的経営技術が求められる事業―例えば,民間刑務所―に適用する方向へと引き継がれて行った.
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