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文献詳細

雑誌文献

病院62巻3号

2003年03月発行

文献概要

特別寄稿

治験における CRC の役割と今後への期待

著者: 中野重行12

所属機関: 1大分医科大学臨床薬理学 2大分医科大学臨床薬理センター

ページ範囲:P.227 - P.231

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 医薬品は病気や病態の改善を目的に使用されるが,その有効性と安全性は,患者や健常者を対象にした臨床試験により初めて明らかにされる.医薬品の臨床試験の中で,規制当局(厚生労働省)から承認を得るための申請資料にすることを目的に行われる段階のものを,「治験」と称している.また,医薬品は市販後にも,より長期にわたる価値を明らかにしたり,より良き使い方を研究するためにも臨床試験が必要になる.この段階の臨床試験は治験ではないので,「市販後の臨床試験」という.なお,治験は医薬品には限らず,医療用具でも実施される.

 近年,医薬品開発に要する費用,時間,人的資源などが膨大になってきた.そこで,これらを節約するためにも,臨床試験の実施のための基準を日米欧の間で統一して,データを地球規模で相互利用できるようにしようというグローバリゼーションの動きが,1990年代になって大きく進展した.わが国の「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(good clinical practice ; GCP)」も,このような動向の中で1997年春に改定され,新GCPの時代に入った.

 以来,治験は治験責任医師をチームリーダーとして,治験チームとして実施されるようになった.治験チームの中で,支援スタッフであるCRC(clinical research coordinator)は,治験の実施におけるキーパーソンとしての役割を担うようになっている.本稿では,治験に焦点をあてて,CRCの役割と今後への期待を述べることにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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