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連載 事例による医療監視・指導─院内感染・医療事故予防対策・2
診断の遅れによる結核の院内感染事例
著者: 桜山豊夫1
所属機関: 1八王子保健所
ページ範囲:P.418 - P.419
文献購入ページに移動結核はかつては国民病と言われたほどに蔓延しており,1950年代には治療を必要とする結核患者が約300万人という調査結果もありましたが,その後結核検診やBCGの普及,抗結核薬による治療法の進歩などにより,1970年代後半までは順調に減少していきました.その結果,社会全体においても,あるいは医療関係者の間でも結核に対する関心は急速に低下しました.しかし,コッホの発見した結核菌の性質が変わったわけではなく,関心の低下とともに1980年代からはわが国の結核患者の減少は鈍化し,最近はほとんど横ばい状態と言えます.
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