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連載 医療機関のマーケティング戦略─産科の受療行動からみえるもの・2
産科医療機関における患者とのリレーションシップ・マーケティング
著者: 冨田健司1 井上淳子2
所属機関: 1静岡大学人文学部 2早稲田大学大学院
ページ範囲:P.504 - P.507
文献購入ページに移動特に産科の場合,他診療科の受療と比べて患者には事前に情報収集を行う時間的猶予がある場合が多く,その手段としてクチコミが大きな役割を果たしている.医療機関と極めて良好な関係にあり,自らの宣伝の役割をしてくれる人を伝道者というが,この伝道者を育成するためにリレーションシップ・マーケティングが不可欠となる1).しかし,現実的には良好な関係作りは難しく課題が多い.
そこで本稿では,産科医療機関が患者と良好なリレーションシップを築くための方策について論考する.その際,信頼関係構築の鍵となる情報の非対称性の解消に着目する.「情報の非対称性の解消」→「信頼構築」→「リレーションシップ構築」という順序でリレーションシップは構築されていくが,本稿ではリレーションシップ構築,信頼構築,情報の非対称性の解消という逆の流れでそれぞれの要件を議論し,最後に誰を顧客として認識し,信頼関係を構築すべきかという問題に関して議論していく.
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