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特別企画 第4回フォーラム医療の改善活動(2002年11月10日)より・2
―パネルディスカッション―安全な医療を目指して―質・安全の取り組みのこれまでとこれから・1
著者: 飯塚悦功1 新木一弘2 三宅祥三3
所属機関: 1東京大学大学院工学系研究科 2厚生労働省医療安全推進室 3武蔵野赤十字病院
ページ範囲:P.578 - P.582
文献購入ページに移動<司会>飯塚 悦功 東京大学大学院工学系研究科教授
今,医療安全を契機に,医療の質が問われています.安全の確保のために産業界の知見を利用しようとしています.質の維持と向上のために産業界の方法に学ぼうとしています.例えば,品質第一,顧客満足(患者満足),システム志向,プロセス管理,標準化,全員参加,事故分析,問題解決,継続的改善などです.私は,産業界の品質改善活動を側面から支援してきました.産業界の知見のすべてをそのままの形で医療界に適用することは難しいかもしれませんが,その考え方,方法論には多くの教訓があると思っています.
産業界において「成功する」組織には共通点があります.いわゆる立派な企業には共通点があるのです.それは,その組織が提供している製品・サービスの競争力が高いということです.顧客に提供して対価を得るもとになっているものが競合にひけをとらない,ということです.売るものが一流でなければならないということですから,当たり前のことです.
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