icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院62巻7号

2003年07月発行

文献概要

連載 医療安全管理の実践・3

医療事故用語の定義

著者: 長谷川敏彦1

所属機関: 1国立保健医療科学院政策科学部

ページ範囲:P.590 - P.596

文献購入ページに移動
 医療事故を取り扱い,予防するには,まずその対象である「事故とは何かを定義」することと,「実態を把握」することが最初の出発点となる.医療安全院内体制の構築も,このような事故リスクの全般的把握から出発しなければならない.そこで今回は事故をめぐる諸概念や用語の定義を試み,それに基づいて国内外の調査から事故の実態に迫ってみたい.

 事故をめぐる用語の定義は実は簡単ではない.既に英語でも日本語でも様々な言葉が飛び交っており,特に英語を日本語に訳すに当たっても,定訳がない状態である.医療事故に関連する英語はmedical accident,malpractice,mishap,adverse eventなど何十もあり,日本語でも医療事故,医療過誤,ヒヤリハットなど多数の語が存在する(表1).

 そこで今回は用語を三つのグループに分け,第一の用語群は「過誤,事故,訴訟」の三つのイベントをめぐるもの,第二の用語群は「危険,危害,安全」など事故の可能性をめぐるもの,第三の用語群は「危険管理,危機管理,安全管理」などの管理をめぐるものとする.これまで各検討会などで用いられていた定義をメタ分析し,できる限り妥当な定義を試みてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら