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特集 病院のコスト管理
民間病院におけるコスト管理の問題点―収入管理の経営からコスト管理の経営へ
著者: 松村耕三1
所属機関: 1財団法人磐城済世会
ページ範囲:P.641 - P.646
文献購入ページに移動 医療費財源の確保に比較的余裕があった時代においては,出来高払いで支払われる各診療行為には医療機関の循環,再生産が行えるだけの利益が得られる診療報酬が定められていた.
したがって,一患者当たりの診療単価を高くし,患者数が増えれば医業収入の増加とともに利益も増大するため,医療機関は収入管理を的確に行っていれば,よほどのことがない限り経営が困難になることはなかった.このため医療機関の経営は収入にのみ着目していればよかった.
この経営手法は,診療報酬の抑制が行われている今日においても一般病床を経営する医療機関の一般的な経営手法として引き継がれている.
しかし,現在では高度な診療行為を繰り返せば繰り返すほど採算性は低下する傾向にあり,急性期高度医療を行う医療機関ほど経営が難しくなってきている.
これは,一般医療の診療報酬に包括化が導入されて請求できない診療材料が急速に増加したことと,人的基準に対応する人件費の明確な算定がなされていないことなど,診療報酬体系が急性期高度医療に厳しいことに原因があるが,医療機関の経営体質がこの時代の変化に対応できていないことにも問題がある.
したがって,一患者当たりの診療単価を高くし,患者数が増えれば医業収入の増加とともに利益も増大するため,医療機関は収入管理を的確に行っていれば,よほどのことがない限り経営が困難になることはなかった.このため医療機関の経営は収入にのみ着目していればよかった.
この経営手法は,診療報酬の抑制が行われている今日においても一般病床を経営する医療機関の一般的な経営手法として引き継がれている.
しかし,現在では高度な診療行為を繰り返せば繰り返すほど採算性は低下する傾向にあり,急性期高度医療を行う医療機関ほど経営が難しくなってきている.
これは,一般医療の診療報酬に包括化が導入されて請求できない診療材料が急速に増加したことと,人的基準に対応する人件費の明確な算定がなされていないことなど,診療報酬体系が急性期高度医療に厳しいことに原因があるが,医療機関の経営体質がこの時代の変化に対応できていないことにも問題がある.
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