文献詳細
文献概要
特別企画 第4回フォーラム医療の改善活動(2002年11月10日)より・3
―パネルディスカッション―安全な医療を目指して―質・安全の取り組みのこれまでとこれから・2
著者: 嶋森好子1 北島政憲2 河野龍太郎3
所属機関: 1京都大学医学部附属病院看護部 2宝生会PL病院 3東京電力株式会社技術開発研究所
ページ範囲:P.668 - P.675
文献購入ページに移動嶋森 好子 京都大学医学部附属病院看護部長
私は看護の立場から,安全な医療のために何ができて何が課題となるのか,今後どう取り組めばいいか,簡単に述べさせていただきます.
1.制度を整えれば体制が整備される
先ほど新木一弘氏がお話しされた(本誌62巻7号掲載)医療安全対策の報告書は,2001年,2002年と続けて出されています.2001年には事故防止と安全対策が主題とされていましたが,2002年には医療の安全と看護の質の向上が中心になっています.1年の間に大きな変化があったと思います.院内報告制度の義務づけや安全管理体制,安全対策の指針の作成や,研修等の義務づけが2002年10月から実施されました.
2002年11月に開かれた病院管理学会で,厚生科学研究として井部俊子氏らが行った,安全管理体制の整備状況や安全管理推進者の活動に関する報告がありました.それによると,院内報告制度は97.2%,職員研修は72.8%で実施されており,リスクマネジャーについては専任が11.4%,兼任を合わせると85%で置かれています.つまり制度が整備されれば,それに合わせた体制が整うということを実態として示しています.
掲載誌情報