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レポート
管理責任と規制緩和―今,入院患者が求めていること
著者: 和田ちひろ1
所属機関: 1ヘルスケア・リレーションシップ・マーケティング(HCRM)研究所
ページ範囲:P.56 - P.61
文献購入ページに移動 「なぜこの病院では21時に消灯なのですか?」と聞かれると,「安静にできる療養環境の確保のため」,「治療の妨げにならないように」などと多くの医療者は答えるだろう.しかし,「以前入院した病院では,22時でしたが…」と詰め寄られると,「うちではそういう決まりですから」としか言い逃れようがないのではなかろうか.このように,医療者側の都合で従来通りの規制が幅を利かせ,現状が維持されていることは案外多い.だが,ここ数年は,医療提供者側の論理のみでサービスが供給されていた時代から,患者の声を聞かなくては病院経営自体が危ぶまれるというほどに,社会の意識が変わりつつある.
しかも,それは「ソフト」な社会の意識変化であるばかりではなく,「ハード」,つまり金銭的にも強い影響力を持つ社会変化であるといえる.例えば,「患者満足度調査導入による病院の経営改善に係る調査研究報告書」〔平成13(2001)年度医療施設経営安定化推進事業報告書〕 で論じられているように,病院経営の健全性と患者満足との間には,相関関係があることが示唆されている1).
しかも,それは「ソフト」な社会の意識変化であるばかりではなく,「ハード」,つまり金銭的にも強い影響力を持つ社会変化であるといえる.例えば,「患者満足度調査導入による病院の経営改善に係る調査研究報告書」〔平成13(2001)年度医療施設経営安定化推進事業報告書〕 で論じられているように,病院経営の健全性と患者満足との間には,相関関係があることが示唆されている1).
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