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特集 看護の臨床研修と病院 【事例】病院における看護の臨床研修の実際
北里大学病院
著者: 野地金子1
所属機関: 1北里大学病院教育看護科
ページ範囲:P.307 - P.311
文献購入ページに移動看護基礎教育を修了し国家資格を取得した新卒看護師が,臨床に入り最も戸惑うのは,複数の患者のケアがスムーズにできないこと,病棟の業務の流れの速さについていけないことである.日本看護協会が行った2002年度『新卒看護師の「看護基本技術」に関する実態調査』では,新卒看護師が入職時に自分一人でできる看護技術は,「基本的なベッドメーキング」,「基本的なリネン交換」,「呼吸,脈拍,体温,血圧を正しく測定」,「身長,体重を正しく測定」のわずか4項目であった.疾患や病態・使用される薬剤に関する知識,患者の生活援助のための技術,診療の補助業務に関する技術など,すべてが患者のベッドサイドに行ったその時から必要とされることなのである.
基礎教育では,看護学教育が主となり,実践での体験が少ないこともあり,実際に看護ケアを自立してできるまでには時間を要する.そのため新人看護師の場合,OJT では新人専任の指導者(以下プリセプター)や先輩看護師が,患者一人ひとりのケアについてエビデンスを基に実践しながら教え,集合教育では臨床実務に直結した内容を教えていくことが必要となっている.
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