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連載 リレーエッセイ 事務長の所感・4
停滞している今こそ飛躍を秘めて―計算し尽された数値目標をもとに
著者: 中村彰吾1
所属機関: 1聖路加国際病院
ページ範囲:P.445 - P.445
文献購入ページに移動国民は安全で,安心でき,良質の医療が提供されることを求めている.この対応には多額な設備投資,専門スタッフの補充と教育,さらに高額な医療機器の整備が迫られ,実にコストが増大する組織体質ができ上がることになる.一方,経済の低迷から医療費は削減されて診療単価に影響し,医療機関が選別されていく現実がある.「医療へのロマン達成と,経営の逆相関の図式」のバランスが医療機関には求められている.1990年,日本の病院数は10,096のピークを迎えた後,右肩下がりに減少を続け,最新の統計では9,118病院と,実に13年間に978病院が淘汰されている.
筆者は数年前に,2005年頃には病院数が9,000を割り込むと予測したが,当時は多くの医療人から「まさか冗談を?」といわれたが,この的中に恐怖を感じる.
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