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特集 急性期入院はDPC適用になるのか
診療情報管理からみたDPC
著者: 阿南誠1
所属機関: 1独立行政法人国立病院機構九州医療センター企画課
ページ範囲:P.653 - P.657
文献購入ページに移動昨年,平成15年4月1日から,特定機能病院等を対象に「特定機能病院等の急性期入院の包括評価(以下,DPC)」方式による,診断群別の一日定額支払い制度が導入された.この事実が,わが国の保険制度に一石を投じたことに異論はなかろう.しかし,後述するようにそれ以前にも包括支払い制度のはしりともいうべきいくつかの試みが実施されていたことはあまり大きな話題にはならなかったものの,現在の DPC 導入の基礎を作ったという意味で忘れてはならない事実である.
まず,特定機能病院の導入に遡ること4年半前,平成10年11月から,国立医療機関等(国立8施設,社会保険2施設)で,「急性期入院医療の定額支払い方式」〔DPC と区別するために DRG(/PPS)としておく〕 の「試行」が開始された.この試行が開始されるに当たり,診断群分類の開発や診療報酬の額の決定を行うための「基礎調査」をはじめとして制度の大枠が確立した.
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