特集 急性期入院はDPC適用になるのか
DPC対象病院の拡大
DRG/PPSからDPCへ―国立病院の立場から
著者:
鈴木一郎1
所属機関:
1独立行政法人国立病院機構千葉医療センター
ページ範囲:P.665 - P.667
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日本の医療の現実を分析するために,共通の尺度が必要である.その尺度として診断群分類という概念が導入された.診断群分類は疾患名とそれに対する診療行為(手術,処置),重症度などにより決定される.日本版診断群分類は第1版が平成10年に決定され,183分類であった.第2版は平成13年に改定され532分類(包括払い対象は267分類)であり,平成15年の第3版では診断群分類575疾患,2,552分類(包括払い対象は1,860分類)である.傷病名に1版では国際疾病分類 ICD-9を用い2版以降は ICD-10が用いられている.第3版の診断群分類を DPC (Diagnosis Procedure Combination) と称する.現在この DPC を用いた急性期入院医療の定額払い方式が大学病院など特定機能病院を中心に導入され,さらに平成16年から一般の病院にも拡大された.
国立病院である当院は,当初より日本版診断群分類を用いた急性期入院医療の定額払い
(DRG/PPS: Diagnosis Related Groups / Prospective Payment System) の試行病院として新たな制度改革のための基礎資料を提供してきた.そして引き続き平成16年7月から DPC の試行施設になった.本稿では DRG/PPS の試行の影響と,DPC へと移っていった流れ,今後の行方について述べたい.