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文献詳細

雑誌文献

病院63巻8号

2004年08月発行

文献概要

連載 病院管理フォーラム 薬剤経済評価・2

薬剤経済評価の原理

著者: 井上忠夫1

所属機関: 1聖路加国際病院

ページ範囲:P.693 - P.695

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 薬剤経済評価は,臨床現場における医療システムと社会に対して,薬物治療のコストと価値を提供するサイエンスである.薬剤経済評価が臨床の現場で使われる時,薬剤師は,結果とコストに対して,どのような選択が最適な結果を得るかを決定しなければならない.

 コストと結果を評価する前に,評価を行う立場が決定されなければならない.薬剤経済評価において可能性のある立場とは,患者,所属部署,病院,政府,第三者である支払機関,または社会に対しての立場である.例えば,病院側の立場から見た抗がん剤の価値は,患者側の立場から見るこの薬剤の価値とは大きく異なることがあり得る.なぜなら,病院側の立場から見た価値は奏効率や生存率当たりに要した金額の値で表現されるかもしれないが,患者にとっては生活の質,すなわち快適度で評価した余命の年数に対して支払う金額の値によって表現される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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