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文献詳細

雑誌文献

病院63巻8号

2004年08月発行

文献概要

連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第118回

特別養護老人ホーム2題

著者: 大井幸次1 永野一生2

所属機関: 1大久手計画工房 2永野建築設計事務所

ページ範囲:P.700 - P.707

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 「せんねん村」は,2001年春に愛知県西尾市にオープンした特別養護老人ホーム(以下特養)(80名)・ショートステイ(30名)・デイサービス(30名)・ケアハウス(15名)からなる複合型の高齢者施設である.「せんねん村」の設計コンセプトは,住みたくなる,利用したくなる環境・ケアづくり.ユーザーの立場で考えようという単純明快なものであるが,管理・機能面を重視する施設作りにおいては後回しにされる問題.中澤明子施設長は,あえてそこにこだわることに特養の未来を考えた.

●自分たちで決める

 建設の2年前からスタートした設計会議には,施設長他看護師・寮母・厨房・総務・OT・PT 等各スタッフが参加して進められた.建物・運営におけるメリット・デメリットを各専門家がわかりやすく説明し,みんなで意見を出し合った.このスタイルにより誰もが他分野の考え方や気持ちを理解することができた.どの問題に対しても自分の意思を表わすことができた.「せんねん村」は,一般論に流されることなく,自己決定に基づいてつくられていった.それ故他施設と異なり,偏りもあり,ちょっと個性的な楽しい場所になっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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