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文献概要
特集 動き始めた新医師臨床研修制度
新医師臨床研修制度と新たな医師のキャリアパス
著者: 矢崎義雄1
所属機関: 1独立行政法人国立病院機構
ページ範囲:P.726 - P.730
文献購入ページに移動 本年度よりいよいよ新医師臨床研修制度が実施されることになった.昭和43年にインターン制度に代えて旧臨床研修制度が導入されたが,医師免許の取得後の臨床研修に変更されたのみで,研修目標を設定するプログラムは依然明確化されなかったために,将来目指す専門領域を中心に大学病院で主に研修が行われるところとなり,むしろ総合的な臨床能力を修得する機会はきわめて乏しくなった.しかも臨床研修が努力目標であったことから,制度的にも問題があった.以来このような問題点が指摘されて,度重なる制度改善の意見具申や指導が行われてきたが,国民皆保険の導入による医療需要の急激な増加,医療技術の著しい進歩,そして経済の高度成長などといった社会的な背景があって,臨床研修制度改革の声はこの30年間必ずしも大きくならなかった.
それではなぜ今臨床研修制度の抜本的な見直しが行われたのであろうか.それには,医療に対する社会的な背景の最近の大きな変化が,時代と社会のニーズに応える医師の育成を目指した,新しい医師臨床研修制度を実現させた大きなインパクトになっていたことをまず理解しなければならない.
それではなぜ今臨床研修制度の抜本的な見直しが行われたのであろうか.それには,医療に対する社会的な背景の最近の大きな変化が,時代と社会のニーズに応える医師の育成を目指した,新しい医師臨床研修制度を実現させた大きなインパクトになっていたことをまず理解しなければならない.
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