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文献詳細

雑誌文献

病院64巻11号

2005年11月発行

文献概要

特集 病院にとって「患者の視点」とは

患者からみた「患者の視点の重視」とは

著者: 勝村久司1

所属機関: 1「医療情報の公開・開示を求める市民の会」事務局

ページ範囲:P.887 - P.891

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「患者の視点の重視とは何か」の答は決して難しくないと思う.

 人は皆,生きている限り反省を繰り返している.相手を傷つけたり,誤解してしまったり,興奮してしまったり,やるべきことをしなかったり,してはいけないことをやってしまったり,等々だ.それらに気づくたびに,これからはしないようにしようと努力し続けることが人としての誠意である.

 そのためには二つの観点を持ち合わせていなければいけない.一つは,相手の立場に立ってものごとを考えることができること.もう一つは,反省を生かして自らを変えていこうとする意志を持っていることである.その際の「相手の立場」こそが医療者にとっての「患者の視点」であり,それに「反省の意志」が加わって「患者の視点の重視」になる.

 人は皆,率直に意見を言ってくれる人がそばにいないと,なかなか自らが反省すべき点に気づかない.にもかかわらず,医療界は患者の声を聞く努力をしなかったどころか,患者に情報を与えないようにして,患者に意見が言えないような仕組みを作ってきた.また,時にそれでも意見を言う患者がいたとしても,決してその声を受けて自らを変えていこうという発想を持っていなかった.

 したがって患者の視点の重視のためには,具体的には次の二つを実行する必要がある.まず,率直な意見を言ってくれる患者を大切に重用すること,そして,その意見を受けて速やかに変えていくシステムを作ることだ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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