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特集 医療政策の決定プロセス
諸外国における医療政策の決定プロセス―デンマーク
著者: 菅沼隆1
所属機関: 1立教大学経済学部
ページ範囲:P.982 - P.988
文献購入ページに移動デンマークは北欧諸国の中でも社会サービス,所得保障制度が最も発達しており,北欧福祉国家の典型をなすといってよい.保健医療サービスにおいても患者の満足度は OECD 諸国の中でトップクラスに位置する 1).そのためデンマークの医療保障政策がどのように決定されているのかを検討することは,福祉国家における医療保障のあり方を考察するうえで有益である.
ところで,デンマークは2007年1月に地方自治体の改革を予定している.デンマークの保健医療サービスは地方公共団体である14の県(アムト amt)が供給してきたが,2007年改革でアムトが廃止され,六つの広域県(リージョン region)に統合される.ここではまずデンマークの保健医療サービスに関する概要を説明し,次に現状の保健医療政策の決定メカニズムを紹介する.その後,2007年地方制度改革で保健医療サービス体制がどのように変化するのか簡単にみておきたい.
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