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オピニオン
医療安全総合政策案 すべての医療過誤被害者の救済を
著者: 小松秀樹1
所属機関: 1虎の門病院泌尿器科
ページ範囲:P.135 - P.139
文献購入ページに移動現在(2004年12月),医療事故報告制度が内科,外科,病理,法医の4学会代表によって議論されている.学会代表としての制約もあり,報告制度を中心に比較的小さな枠組みの議論が行われている.2005年度より議論の枠組みが拡大される方向にあると伝え聞いているが,詳細を知る立場にない.本稿では個人としての自由な立場から,大きな枠組みでの考え方を提案したい.医療事故報告制度も将来の医療安全政策全体の中の位置付けを考えて設計する必要があるからである.
背 景
医事紛争が頻発し,医療に対する不信はその存立を脅かしている.筆者は,現在の状況が続くと外科医のなり手がいなくなるのではないかと危惧してきた.2004年9月,東京大学医学部附属病院で2004年の新卒研修医に対する2005年度の選択研修の希望調査が行われたが,外科の志望者がほとんどいなかった.この傾向が全国的なものならば,近い将来,本邦の外科診療に支障が出かねない.信頼を取り戻すために,医療提供者側(とくに医師)には解決すべき課題が多いが1),現状のとげとげしい医療不信の直接的原因は,医療過誤被害者の救済を医療制度に組み込んでいなかったことにある.
背 景
医事紛争が頻発し,医療に対する不信はその存立を脅かしている.筆者は,現在の状況が続くと外科医のなり手がいなくなるのではないかと危惧してきた.2004年9月,東京大学医学部附属病院で2004年の新卒研修医に対する2005年度の選択研修の希望調査が行われたが,外科の志望者がほとんどいなかった.この傾向が全国的なものならば,近い将来,本邦の外科診療に支障が出かねない.信頼を取り戻すために,医療提供者側(とくに医師)には解決すべき課題が多いが1),現状のとげとげしい医療不信の直接的原因は,医療過誤被害者の救済を医療制度に組み込んでいなかったことにある.
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