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文献詳細

雑誌文献

病院64巻2号

2005年02月発行

連載 病院ファイナンスの現状・6

―間接金融(1)短期資金調達 1―病院の短期資金調達にはどのようなものがあるか

著者: 福永肇1

所属機関: 1国際医療福祉大学医療福祉学部医療経営管理学科

ページ範囲:P.152 - P.155

文献概要

 お金には色は付いていませんが,期間によって区分されます.金融市場では,期間1年以内の「短期資金」と1年超の「長期資金」に二分されます注1).また,お金を貯金や預金,投資することを資金の「運用」,反対にお金を借りたり自分の事業に投資や出資をしてもらうことを資金の「調達」といいます.したがって病院の資金調達も,期間別に「短期資金調達」と「長期資金調達」に大きく二分されることになります.短期と長期では資金の性格が違い,金融機関における融資検討時の審査内容も相当違ってきます.

 また,病院が金融機関から資金調達することを「間接金融」,病院債や診療報酬債権流動化で資産担保証券(ABS)を発行する場合のように,投資家から直接資金調達することを「直接金融」といいます.

 今月号以降では医療法人(以下,「病院」と表記)の「間接金融」について,「短期」と「長期」各々の期間に分けて説明を行います.今月号・来月号では短期資金調達を解説します.そもそも病院は業界として一般企業と比べ,短期の資金調達需要が少ない構造といえます.また病院が短期資金調達を必要とする場合でも健全な資金需要ならば銀行借入はさほど困難ではありません.病院ファイナンスが難しいと現在議論されているのは,再来月号以降で解説する長期資金調達の場合だといえるでしょう.

 病院における短期資金調達の具体的な例としては,運転資金,賞与資金,決算資金,建設つなぎ資金の4つがあり,各々を以下で解説いたします.

 はじめてご覧になられる金融用語も出てくるかと思いますが,これらは特殊な用語ではなくビジネス界で日常使われている用語であり,この機会にぜひ勉強されることをお勧めします.銀行との交渉の場では,このような言葉が使われます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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