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雑誌目次

雑誌文献

病院65巻10号

2006年10月発行

雑誌目次

特集 在宅医療を支える地域連携システムとは

巻頭言

著者: 神野正博

ページ範囲:P.787 - P.787

 第五次医療法改正で都道府県は「地域医療計画」を策定する.これは病院の役割と機能分担を加速させ,行政主導の「選択と集中」を促す結果をもたらすかもしれない.さらに財政論議と相まって日本の病院や診療所,施設のあり方が根本的に変化しようとしているのである.

 まず,介護保険制度では「施設に集約」させた介護から,地域に密着した「在宅重視」の介護への流れを先行させる.それは,この4 月に施行された改正介護保険法で誕生した小規模多機能居宅介護施設や地域密着型小規模介護老人福祉施設など地域密着型介護施設と地域の介護予防に主眼をおいた地域包括支援センターの設置という流れである.今後この考え方は,当然医療の分野にも移行されることであろう.

第 5 次医療法改正における医療計画の見直しと医療機関経営

著者: 尾形裕也

ページ範囲:P.788 - P.793

 2006 年 6 月 14 日に成立したいわゆる医療制度改革法(案)は大きく 2 つの部分からなっている.1 つは,健康保険法等,医療保険制度のあり方を見直す改正法であり,もう 1 つは,医療法等,医療提供体制のあり方を見直す改正法である.このうち,後者については,「良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律」(下線は筆者)という,法律の趣旨を示す形容句が(やや異例にも)付けられていることが注目される.こうしたあるべき医療提供体制の確保および推進を図る重要な政策ツールとして位置付けられているのが,今回の医療計画の見直し(医療計画制度の拡充・強化)なのである(法律案要綱・改正の趣旨).

 医療計画は,1985 年のいわゆる第 1 次医療法改正において導入された制度であるが,その後,20 年以上にわたってその本格的な見直しは行われてこなかった注 1).医療計画と言えば,まず何よりも量的な病床規制という受け取り方が一般的であったと言えよう.今回はその初めての全面的な見直しということになる.後述するように,今回の見直しの結果,今後,医療計画は医療機関の経営に対しても大きな影響を及ぼす可能性がある.本稿においては,今回の医療計画の見直しのポイントと,それが医療機関の経営や地域医療のあり方に対して,どのような影響を及ぼすと考えられるかについて考察することとしたい.

今こそ在宅医療の真髄を具現するとき―「ライフケアシステム」25 年の経験から

著者: 佐藤智

ページ範囲:P.795 - P.799

■なぜいま日本に在宅医療を支える家庭医の確立が必要なのか

 世界の医療の歴史を繙くと,いずれの国でも,患者の家に医師が赴き治療にあたることが「医療」の重要な要素の一つとして,歴史は始まっている.特に病状が重くなると,この「往診,家庭訪問」が重要な手立てになる.医療の起源は,当然ながら「在宅医療」で,病院医療ではない.

 「医学の父」といわれたヒポクラテスは「遍歴医」として各地を廻って患者を診た.ヨーロッパ中世には,修道院に病人が運ばれ修道女が看護し,そこに街の家庭医が招かれて医療をしたのが,今日の病院の原型である.この形式は欧米諸国では現在も引き継がれている.家庭医はしばしば病院に赴き,自分の患者を診察し,退院後は再び患者全体の責任を「家庭医」が持つ.そこでは「患者の顔」と「家庭医の顔」が常に向かい合っている.残念ながら現在の日本の病院では,その姿勢が急速になくなってしまった.

地域連携を病院経営にどのように生かすか

著者: 古閑博明

ページ範囲:P.800 - P.804

 今年 4 月の診療報酬改定では急性期病院の在院日数の短縮はなかったが,当院のようなリハビリテーション(以下,リハ)専門病院では疾患ごとに差はあるが,回復期リハ病棟の入院期間が大幅に短縮された.回復期リハ病棟からの転院先となっている医療療養病床は医療区分が作られ転院が難しくなり,介護療養病床も廃止が予定されている.

 今後リハ専門病院においても入院期間を短縮する努力が必要となり,在宅復帰させ,それを支える能力を高めることも重要となる.また発症より回復期リハ病棟に入れる期間も短縮され,ますます急性期病院からの早期転院が必要となってくる.

診療所が期待する病院の役割

著者: 藤田拓司

ページ範囲:P.805 - P.810

 平成 18 年の診療報酬改定で,地域医療連携は「地域連携クリティカルパス」導入を契機に,新しい段階に入ったと考えている.「病院へどのように患者を紹介するか」という診療所側からのアプローチから始まった地域医療連携は,平成 12 年に急性期(特定)入院加算が診療報酬で認められたこともあり,急性期病院も紹介患者獲得に積極的に取り組んできた.その効果もあって,診療所から病院への患者紹介(急性期病院の前方連携)は充実したものになってきている.

 また,平均在院日数が急性期加算算定要件に含まれていたこともあり,積極的に後方連携に取り組む急性期病院も出てきた.その結果,地域の病院間,病院と診療所との連携が密になり,地域医療連携ネットワークを構築する素地ができあがったと考えている.

地域に広がるパスは在宅医療・連携の推進に役立つか

著者: 真野俊樹

ページ範囲:P.811 - P.815

■今回の診療報酬のインパクト

 2006 年 4 月の診療報酬の改定は,以前からうすうす言われていたとはいえ,史上最大ともいえる厳しさの,3.16 %のマイナス改定になった.これだけでも大きいのだが,実際には,もっと医業収益が減った医療機関が多い.

 実は,最も気をつけねばならないことは,今回の診療報酬改定が単なる 3.16 %の改定ではなく,いろいろな方針の転換を含んでいるので,その方針に合わなかった医療機関では猛烈な減収になったということである.

在宅酸素療法における事業者の役割―チーム医療の一員として

著者: 古田拓

ページ範囲:P.828 - P.832

 現在,わが国では第 5 次医療法改正の中で,地域医療計画の見直しにより入院医療から在宅医療への強力なシフトがなされ,在宅医療の位置づけがよりクローズアップされている.そして,それを支えるチーム医療の重要性が叫ばれている中で,民間事業者もその一員として在宅医療をどうサポートするかが問われている.

 わが国の在宅医療は,1984 年の在宅自己腹膜灌流療法,85 年の在宅酸素療法の指導管理料新設を契機に拡大してきた.中でも在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy;以下 HOT) は,わが国の在宅医療で最も普及した分野として位置づけられている.

在宅療養を支える地域連携システム事例

顔の見える病診連携の歩み

著者: 山室渡

ページ範囲:P.817 - P.820

 済生会神奈川県病院は,横浜市東部の神奈川区にある病床数 400 床,平成 17 年度の平均在院日数 13.9 日,紹介率 56 %の急性期型病院である.当院の医療連携の発展には,地域の診療所と当院それぞれの有志で構成される「病診連携 W の会」の活動が大きく寄与している.神奈川区医師会との間で行われている「連携ノートを用いた在宅診療 24 時間病診連携システム」も,「病診連携 W の会」で検討され,その結果が区医師会と病院(当院)とに提案され実施された連携システムである.本稿ではまず「病診連携 W の会」を紹介し,次に在宅医療との連携を構築した道程とその実績,課題について述べてみたい.

■病診連携 W の会

 平成 4 年,患者紹介の多い診療所医師有志と当院の勤務医が,それぞれ「相手の顔を見たい」ということになり意見交換会をもった.若手の医師が多かったことから,Wakate の会の意味で「W の会」と名付け定期的に会合をもつことになった.その結果,患者を紹介する側,紹介される側ともに様々な問題を抱えていることがわかり,自然に病診連携研究会の様相を呈するようになった.平成 6 年の第 7 回から「病診連携 W の会」と名称を変更し,W という文字にかかりつけ医と病院専門医の 2 人主治医制,W=double Doctor の意味を込めるようになった.病院側は研修医も含む各科医師に加えコメディカル,事務職員も参加するようになり,診療所側も年ごとに会員数が増加し,神奈川区から近隣各区に拡大した.本会は年に 2 回ずつ開催され,平成 18 年 6 月には第 29 回が診療所側,病院側合わせて約 70 名の参加で行われた.

在宅医療における地域連携システム

著者: 額田泰志

ページ範囲:P.821 - P.823

 今回,私に与えられた課題は在宅医療における地域連携システムである.少々変わっているかもしれないが,私なりの視点で論じてみたい.なお,私は論文に慣れていないのでどうしても散文,随筆調になってしまうことをご容赦願いたい.

■歴史的なこと

 「在宅医療がうまく機能している」ということは,客観的には何によって評価されるべきなのであろうか.様々な意見はあるだろうが,私は死亡診断書における死亡したところ(以下,死亡場所)に着目してみた.図を見てほしい.1960 年には死亡場所の 7 割が自宅であったのに,2001 年には 2 割をきっている.反対に病院が死亡場所となった割合は 2 割弱から 8 割に届く勢いである.死亡場所を示すグラフは見事な横 X (という言葉はあるのだろうか)を描いている.まさに激変である.

在宅療養支援診療所から作り上げる診療連携

著者: 神津仁

ページ範囲:P.824 - P.826

 医療連携もしくは診療連携に関して,旧来から慣習的に「病診連携」と言われてきた.病院と診療所との連携という意味で使われていた言葉ではあるが,診療所側にとっては違和感がある.

 筆者は以前より「どこが主体的になって連携をするかでこの言い方を使い分けたほうがいい」と提案してきた.10 年前から,われわれは「世田谷区若手医師の会」を立ち上げて,診療所と診療所との連携を推進してきた.ここでの連携は「診診連携」であり,患者を病院に紹介する場合には,診療所から病院への連携,という意味では「診病連携」が正しい.最近では,こうした影響からか「病病連携」という言葉も一般的になってきた.

グラフ

地域の人を病院にアートで交流する

著者: 医療法人社団崎陽会 日の出ヶ丘病院

ページ範囲:P.775 - P.780

 JR武蔵五日市線の武蔵増戸駅から車で5分ほどの小高い丘の上に,緑の木々に囲まれた日の出ヶ丘病院がある.自然に囲まれ恵まれた療養環境は,地域住民からは物理的・心理的距離が遠いという欠点も併せ持つ.1968(昭和43)年に開設された当院の歴史は,地域住民の信頼をどのように得ていくか,また地域住民にどのようにしたら身近に感じてもらえるかを常に模索し続けてきた軌跡といってもよいであろう.その手段は,落合クリニックの開設(1989年)や都内4番目の訪問看護ステーションの開設(1992年),西多摩地区初のホスピス開設(2000年)など医療の提供にとどまらず,ボランティアコーディネーターの設置やヒーリングハープの病棟での演奏,また地域住民を招いたコンサートの開催,そして今回のアートプロジェクト『びょういんにおいでよ,わたしたちの!』と銘打たれた地域住民を病院内に招いての美術制作ワークショップなど多彩で,地域のための病院の一つのあり方を提案している.

改革への道のり

 大蔵葉子理事長は1987(昭和62)年に現職に就任した.就任当時,地域住民の当院に対する評判は決してよいものではなく,また二人三脚で経営を担うことになっていたご主人を理事長就任早々に癌で亡くすという痛手も重なり,逆風のなかの船出であったと振り返る.こうした逆境の中で大蔵理事長は「まず地域の信頼を得ることが先決.そのためには自ら頭を下げてでも仲良くしてほしいとアピールし,できることからやっていくしか手はない」と決意し,冒頭に挙げたような試みを積極的に展開してきた.就任挨拶で理事長は「家族や知人に当院で働いていることを胸を張って言えるようになってもらいたい.そのためには,たとえ医師に対してであってもしっかりと意見を主張できるくらいプライドを持って働いてほしい」と病院職員に訴えたそうだが,生まれ変わるためには,まずは職員の意識改革が必要だと考えたからだろう.本当は音楽の世界で生きていきたかったと語る理事長だからこそ,前例にとらわれない市民感覚で改革に取り組めてきたのかもしれない.病院理念「地域と共に生き,信頼される医療の提供」は,3分で思いついたそうだが,これも理事長の信念と実績が揺るぎないものである証であろう.

連載 病院ファイナンスの現状・26

診療報酬債権譲渡担保融資・保証,不動産流動化(REIT),病院全事業証券化,PFI

著者: 福永肇

ページ範囲:P.833 - P.837

 今月は診療報酬債権を担保にして資金調達をするスキーム,病院の不動産証券化スキーム(REIT),不動産担保と将来の診療報酬を信託受益権にして借入をした徳洲会グループの病院全事業証券化,自治体病院の民間資金調達スキームである PFI の 4 つの概要を解説します.

■診療報酬債権を担保にするスキーム

1.診療報酬債権譲渡担保融資

 9 月号では診療報酬債権を証券化方式またはファクタリング方式にて流動化するファイナンスを解説しました.診療報酬債権を活用する病院ファイナンスには,この “流動化” に加え,診療報酬債権を “譲渡担保” にして資金調達を行う方法もあります.譲渡担保では,債権を担保するために,売掛金である診療報酬の所有権を病院から金融機関に法律形式に従って移転登記します.そして被担保債権の弁済をもって,その権利を返還する形式の担保となります.譲渡担保は民法上の担保権ではなく,判例法上での担保権です.

医療ソーシャルワーカーの働きを検証する・5

MSW のコーディネート機能と平均在院日数,病床利用率への影響分析

著者: 阿部真菜美 ,   加藤由美 ,   関田康慶

ページ範囲:P.838 - P.841

■分析の目的と方法

 MSW のコーディネート機能の重要性は従来からいわれてきており,平均在院日数や病床利用率に対する貢献が事例研究などで明らかにされてきた.本稿では大規模データベースを使用し,療養病床のない急性期病院について紹介・連携部門に MSW を配置することによる病院連携機能への影響,MSW マンパワー数と平均在院日数および病床利用率との関連を明らかにする.

 分析に用いたデータベースは,日本病院会が実施した平成 16 年度診療報酬改定影響度調査に基づき構築されたデータベース(JH 16 DB)である.分析対象は,データベースに含まれる療養病床のない一般病院 422 病院(病床規模 200 床未満 107 病院,200-399 床 179 病院,400 床以上 136 病院)とし,精神病院は除いている.紹介・連携部門職員数,MSW 数は常勤に換算した.分析は下記の 1.~5. について行う.

今,なぜ医療経営学を学ぶのか 基本からわかる医療経営学・5

医療における組織倫理

著者: 勝原裕美子

ページ範囲:P.842 - P.845

■組織倫理とは何か

1.医療にまつわる倫理

 医療の中で倫理を考える視点は既にいくつかあります.一つは生命倫理の視点です.医療の高度化や科学技術の進歩に伴い,それまでは神や運命が決めていた人の生死の問題,すなわち生まれるべきか死ぬべきか,いつ生まれるのかいつ死ぬのかといったことが人間の判断と操作でできるようになりました.代表的なものには,延命措置,臓器移植,不妊治療,遺伝子操作などがあります.もう一つは,臨床倫理の視点です.臨床の現場で患者・家族を目前にして日々生じている臨床倫理の問題には,行動制限(抑制)をどのタイミングでするのか,患者への病気や予後の告知を家族がしてほしくないという場合に,どう対応すべきなのかといったことがあります.

 ところが,医療組織の中には,生命倫理や臨床倫理の視点だけでは説明しきれない倫理問題があります.それが三つめの倫理的視点で,本稿で扱う組織倫理です.組織倫理は医療組織だけでなく,組織体であればどこにでも生じるような問題です.例えば,書類の改ざん,セクシャルハラスメントやパワーハラスメント,利益供与,不祥事の隠滅,イジメなどがこれにあたります.組織倫理の問題とは,組織の文化や組織の仕組みが引き起こす問題なのです.

クロストーク医療裁判・8

裁判の場面での因果関係とは―東大ルンバール事件―最高裁昭和50年10月24日判決の事例から

著者: 筈井卓矢 ,   溜箭将之 ,   清水孝徳

ページ範囲:P.846 - P.850

J:裁判所医療集中部の若手(勤務 2 年目)裁判官

D:内科医.J の高校時代の先輩

D:J さん,久しぶりだね.

J:ご無沙汰しております.ルンバール事件について教えて欲しいって,何があったんですか?

D:法律家の間では有名な事件らしいね.今度,弁護士たちとの研究会なるものに参加することになっていて,医師の立場から意見を述べる羽目になったんだよ.

J:それは大変ですね.じゃあまずは,ルンバール事件の事案について見てみましょうか.

病院管理フォーラム ■防犯対策・1

病院における防犯体制の実態―日本看護協会の調査から

著者: 鈴木理恵

ページ範囲:P.851 - P.853

 近年,病院において患者や医療従事者が院外の第三者等によって暴力被害を受けたり,盗難,器物損壊等が増えている他,2006 年 1 月には宮城県の病院で新生児連れ去り事件が発生するなど,患者,職員の身体生命に危害が及ぶリスクが高まっている状況である.

 患者に安全・安心な療養環境を提供し,かつ職員が安心して働くことのできる労働環境を整えることは,質の高い医療・看護サービスを提供するうえで重要な課題の一つである.

アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第141回

川崎市立多摩病院

著者: 永冨誠 ,   高橋創 ,   亀谷学

ページ範囲:P.854 - P.859

 川崎市立多摩病院は,かねてより病床数が不足していた神奈川県の川崎市北部保健医療圏における医療供給体制の充実整備を図るため,3 番目の市立病院として計画された新設病院である.急性期医療・救急医療・小児救急医療・災害時医療を中心に,病床数 376 床 18 診療科目を有す,地域の中核的医療施設として高度な医療機能の充実化を図り,2006 年 2 月にオープンした.

■建物計画

●民間活力の導入

 基本設計当初から,管理運営委託先として選定された聖マリアンナ医科大学とともに,川崎市,久米設計の三者で新たな医療施設づくりについて細部にわたる検討を重ねてきた.

リレーエッセイ 医療の現場から

一人の理学療法士として

著者: 吉岡政子

ページ範囲:P.861 - P.861

 私は理学療法士として病院のリハビリテーション(以下リハビリ)科に勤務している.そのため,何らかの疾患にて入院し,初めて理学療法を受ける方も少なくない.そのような方に対し,「はじめまして.理学療法士の○○です」といった挨拶を行う.するとどうだろう,大多数の方の頭に「?」マークが飛ぶのではないだろうか.その光景が目に見えているため,われわれ理学療法士は「リハビリの」などといった修飾語をあらかじめ付けて挨拶することが極めて多い.わが国に理学療法士資格制度が誕生して早 40 年の年月が経つわけであるが,いまだ「理学療法」という言葉が浸透するには至っていない.

 理学療法とは,「身体に障害のある者に対し,主としてその基本的動作能力の回復を図るため,治療体操その他の運動を行なわせ,及び電気刺激,マッサージ,温熱その他の物理的手段を加えることをいう.」と,理学療法士法に定められている.しかし,法に定められた「基本動作能力の回復」を主とする背景に,社会でその患者様がどのように生活していくかを常に意識しておく必要がある.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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