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文献詳細

雑誌文献

病院65巻10号

2006年10月発行

文献概要

特集 在宅医療を支える地域連携システムとは 在宅療養を支える地域連携システム事例

顔の見える病診連携の歩み

著者: 山室渡12

所属機関: 1済生会神奈川県病院 2病診連携Wの会

ページ範囲:P.817 - P.820

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 済生会神奈川県病院は,横浜市東部の神奈川区にある病床数 400 床,平成 17 年度の平均在院日数 13.9 日,紹介率 56 %の急性期型病院である.当院の医療連携の発展には,地域の診療所と当院それぞれの有志で構成される「病診連携 W の会」の活動が大きく寄与している.神奈川区医師会との間で行われている「連携ノートを用いた在宅診療 24 時間病診連携システム」も,「病診連携 W の会」で検討され,その結果が区医師会と病院(当院)とに提案され実施された連携システムである.本稿ではまず「病診連携 W の会」を紹介し,次に在宅医療との連携を構築した道程とその実績,課題について述べてみたい.

■病診連携 W の会

 平成 4 年,患者紹介の多い診療所医師有志と当院の勤務医が,それぞれ「相手の顔を見たい」ということになり意見交換会をもった.若手の医師が多かったことから,Wakate の会の意味で「W の会」と名付け定期的に会合をもつことになった.その結果,患者を紹介する側,紹介される側ともに様々な問題を抱えていることがわかり,自然に病診連携研究会の様相を呈するようになった.平成 6 年の第 7 回から「病診連携 W の会」と名称を変更し,W という文字にかかりつけ医と病院専門医の 2 人主治医制,W=double Doctor の意味を込めるようになった.病院側は研修医も含む各科医師に加えコメディカル,事務職員も参加するようになり,診療所側も年ごとに会員数が増加し,神奈川区から近隣各区に拡大した.本会は年に 2 回ずつ開催され,平成 18 年 6 月には第 29 回が診療所側,病院側合わせて約 70 名の参加で行われた.

参考文献

1) 吉井 宏,中村眞巳:病診連携を考える;「病診連携 W の会」の現状と今後.治療 82(10):106-108,2000
2) 中村眞巳,山室 渡:病診連携 W の会:その取り組みと意義.地域医療連携 MOOK,田城孝雄(編),日総出版,95-106,2004
3) 長谷川洋一,堀内久仁江,山室 渡,他:在宅診療連携ノートを利用した病診連携の経験.プライマリ・ケア 27(Suppl): 224 ,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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