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連載 医療ソーシャルワーカーの働きを検証する・7
緩和ケア病棟での家族関係再構築―リエゾン・コンサルテーションを活用したケースワークの事例
著者: 橘直子1
所属機関: 1綜合病院山口赤十字病院医療社会事業課
ページ範囲:P.1018 - P.1021
文献購入ページに移動ホスピス(hospice)という言葉は,“旅に疲れた人をもてなす宿” の意味を持つラテン語から生まれた.その言葉に由来しているように,ホスピス・緩和ケア(palliative care)は,治癒不可能な状態にある患者さんおよびご家族のクオリティー・オブ・ライフ(QOL)の向上のために,様々な専門家が協力して作ったチームによって行われるケアを意味する.そのケアは,患者さんとご家族が可能な限り人間らしく,“その人らしく” 快適な生活を送れるように提供される.
近代的なホスピスとして最初に設立されたセントクリストファー・ホスピス(イギリス)のシシリー・ソンダース博士(1918-2005)は,「死に直面した人々のケアにおいて,患者の苦痛の全体像に直面したとき,身体的痛みだけでなく,心の痛み (Mental pain),社会的な痛み (Social pain),霊的な痛み (Spiritual pain) について検討が必要である」と述べている.また,博士は医師になる前,ソーシャルワーカーとして働いていたことも知られている.
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