icon fsr

文献詳細

雑誌文献

病院65巻2号

2006年02月発行

文献概要

特集 超高齢社会の終末期ケア

終末期ケアの法的ルール

著者: 井田良1

所属機関: 1慶應義塾大学大学院法務研究科

ページ範囲:P.110 - P.114

文献購入ページに移動
終末期ケアの法的問題

 医学の進歩とともに,死は否応もなく「人為的操作」の可能な現象となった.患者への積極的治療を継続することにより死期をかなり先に延ばすこともでき,逆に,治療のレベルを落とすことは早期の死を招来する.とはいえ,医療従事者に対し,常に最大限の積極的治療を最後の瞬間まで継続することを強いることはできない.とうに患者が意識を失ってしまい,意識が戻る可能性もないという状態でも,とにかく極限まで心臓と脳を人為的に機能させ続けること(いわば生命体として生き長らえさせること)を法が義務づけるとすれば,それは非人間的であり,野蛮なことである.医師がどこかで積極的治療から「撤退」することにより患者に自然な死を迎えさせることは違法ではあり得ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら