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連載 病院改革 患者さんの期待を超越せよ!・11 最終回
Challenge and Change
著者: 浦島充佳1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学臨床研究開発室・小児科学講座
ページ範囲:P.160 - P.161
文献購入ページに移動2001年,炭疽菌を使ったバイオテロがアメリカで発生しました.炭疽菌感染症は発生しなくなったが,未だ興奮さめやらないタイミングでハーバードの研究グループはその地域の人々に対してアンケート調査を行いました.人々は自分たちがその冬インフルエンザになるのと同じくらいの確率で炭疽菌ないしは天然痘にかかるのではないかと心配するほど不安をかかえていたのです.そして,「あなたの地域でそのようなことが発生したら,誰の話を信用しますか?」という問いに対して,主治医であり地域の病院院長,あるいは消防士がトップにランクされていました.一方,ブッシュ大統領,FBI,CIAは信頼の対象とはなっていないのです.このアンケート結果からは,会社や自分の利益を考える人でもなく,国の利益を考える人でもない職種の言葉は信用されず,地域の人々を守る人々の言葉が信用されるということを感じ取ることができます.いざというときの地域社会の病院に対する期待は,思っている以上に大きいのではないでしょうか?
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