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特集 新しい臨床教育手法―シミュレータの活用
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著者: 河北博文1
所属機関: 1医療法人財団河北総合病院
ページ範囲:P.197 - P.197
文献購入ページに移動航空機の新規開発,操縦士の訓練,あるいはNASA の宇宙飛行士の訓練には高度なシミュレータが数多く利用されている.今日,米国では,すでに,メディカル・スクールの医学教育,研修医の臨床研修教育,さらには専門医の認定・認定更新制度にもシミュレーションが活用されるようになっている.疾患,症状ごとに診療ストーリーの図書ができ,インターネットを介して場所を問わずに学べるシステムも拡大しつつある.これは,医師をはじめとする医療専門者の教育だけでなく,医療の安全性を高める観点からも極めて重要な研修システムである.米国で利用され,また開発中の多くのシミュレータはコンピュータによっての知覚,反射,行動,対話等が人間の実態と即したように作られている.そして,すべての過程が記録され再現可能である.動物を利用した動物実験ラボとはかなり基本的考え方の異なったシステムである.コンピュータによるシミュレーションを大きく分けると,(1)疾患・状態ごとのケース・メソッドに相当するシミュレーション (2)医療機器をコンピュータに接続したスキル・ラボとしてのシミュレーションそして,(3)人間に近い体形をしたロボットに多くのコンピュータ技術を搭載したシミュレータ,である.
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