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特集 看護人員の適正化に向けて
客観的な看護度データの収集と看護ケア量の数値化
著者: 宇都由美子1
所属機関: 1鹿児島大学医学部・歯学部附属病院医療情報部
ページ範囲:P.297 - P.301
文献購入ページに移動 わが国の医療を取り巻く環境は,低迷する経済状況を背景として厳しさを増すばかりである.したがって,増大し続ける医療費をいかにコントロールするかが喫緊の課題となってきた.厳しい経済環境下においては,人的資源をはじめとする医療資源の適正な投入が不可欠であり,特に看護サービスの質向上を達成するために,看護師の適正配置やケア提供の最適配分などの重要性がますます増大してきた.
このように,看護量を表す評価基準の必要性とともに,今後は臨床看護現場で日常的に利用できる実行可能性に対する需要に関心が高まってきた.われわれは,1987年の看護システム導入を機に,より客観的な看護度データの収集をめざして看護度分類に独自の細分化を図り,蓄積された看護度データを利用して看護ケアの定量化を図り,患者サービスの向上や病院経営の健全化に寄与するシステムアプローチを行ってきた1).さらに,病院 DWH(Data Warehouse) を活用して,看護度データによる看護量測定および看護ケアのコスト計算が可能なシステム開発を行い,患者サービスの向上や病院経営の健全化に寄与するシステムアプローチを行ってきた2).
このように,看護量を表す評価基準の必要性とともに,今後は臨床看護現場で日常的に利用できる実行可能性に対する需要に関心が高まってきた.われわれは,1987年の看護システム導入を機に,より客観的な看護度データの収集をめざして看護度分類に独自の細分化を図り,蓄積された看護度データを利用して看護ケアの定量化を図り,患者サービスの向上や病院経営の健全化に寄与するシステムアプローチを行ってきた1).さらに,病院 DWH(Data Warehouse) を活用して,看護度データによる看護量測定および看護ケアのコスト計算が可能なシステム開発を行い,患者サービスの向上や病院経営の健全化に寄与するシステムアプローチを行ってきた2).
参考文献
1) Yumiko Uto, Ichiro Kumamoto: Study on Weighting of Amount of Nursing Care Using Data on Index of Patient's Need for Nursing and System Approach, Journal of Medical Systems, 29(2) : 165-177, 2005
2) 宇都由美子,村永文学,熊本一朗:病院情報システムを基盤とする病院情報データウェアハウスの開発とその評価―その過程と成果がもたらした病院のリエンジニアリング―,医療情報学,19(3),1999
3) 松田晋哉編著:DPC と病院マネジメント,じほう,2005
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