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文献詳細

雑誌文献

病院65巻4号

2006年04月発行

文献概要

特集 看護人員の適正化に向けて

現場の今に対応する人員配置をめざして―「マリアンナ式看護必要度開発」と動的配置の実際

著者: 陣田泰子1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学病院看護部

ページ範囲:P.307 - P.310

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 医療に携わる者たちは,「医療の冬の時代」が当分続くことは誰もが覚悟していることである.この時代にあって,看護資源が今より多くなってほしい,と願うことは看護職,特にトップマネジャーとしてはおそらく一人も「ノー」とはいわないだろう.筆者にしても,決して十分とはいえない当院の看護資源をいつ「これで OK」と言えるのかと自問自答する.結論は,「どこまでいっても満足する状態にはならない」である.

 どれほど資源を投入しても,それよりもスピードを増して,医療現場は変化していく.リスクマネジメントは,かなり極端な主張であることを承知でいうならば,これまでの事故防止から,今や「クレーム対応」へとそのエネルギー消費先は変化している.またかつて重症患者に多くのケア時間を割いていた看護師は,今病棟に数人存在する高齢患者の認知障害患者への対応に手が取られ,わずか 3~4 人の夜勤者のエネルギーは「転倒・転落防止」へと注がれる.トイレに誘導し,その排泄時間を使って他の患者へ対応している間に誘導した患者がトイレで転倒する.「せっかくトイレに誘導したのだから,終わるまで留まってよ!」といいたいのを抑える.それほどまでに「その間に○○をしなくては‥」あるいは「他の患者への対応」に飛んで行っては,戻ってきている,という現実があるからである.そして,在院日数は 2 週間を切り,さらなる短縮を求められ,これまた続く終わりのない闘いである.

参考文献

1) 雨宮みち,他:看護度尺度を考える―聖マリアンナ式看護尺度の開発:ナーシング・トウデイ,15(3),2000
2) 宮城領子,他:聖マリアンナ式看護必要度のシステム開発・運用と適正人員配置基準としてのZ値の活用,看護部長通信 3(5),2005
3) 田村順子,他:M 式看護必要度のシステム開発―動態配置指標に Z 値を用いて,日本看護協会看護管理学会,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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