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文献詳細

雑誌文献

病院65巻6号

2006年06月発行

文献概要

特集 持つ病院,持たざる病院―法人制度から資金調達まで

医療法人制度改革と出資持分―資金を持つことと持たぬこと:資金調達の選択肢

著者: 篠原重男1

所属機関: 1東日本監査法人

ページ範囲:P.456 - P.459

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 2006 年 4 月の医療法人制度改革においては,医療法人の非営利性を徹底した結果,医療法人の出資持分の概念が放棄された.その一方で,既存の出資持分には影響が及ばないため,今後,当面の間,出資持分について「持つもの」と「持たざるもの」が両立する現象が生じることになった.ここに至って,医療法人制度改革の理念とは裏腹に,既存の出資持分の価値が再認識されていることは皮肉なことである.

 また,社会医療法人に対し,社会医療法人債の発行が認められたことにより,医療法人に対して直接金融市場からの資金調達の途が設けられたことは今回の医療法人制度改革の最大の成果である.医療法人が,自らの信用力で広く一般社会から資金を募り,良質かつ安定的な医療を以て社会に還元する仕組みが医療法に組み込まれたのであり,社会医療法人債は今後急速に普及するであろう.

参考文献

1) 日本経済新聞 2005 年 12 月 29 日「日本企業,M&A23 %増」
2) 三井住友銀行ホームページ 2006 年 2 月 23 日現在 http://www.smbc.co.jp/
3) 東京三菱銀行公共法人部講演資料「医療機関の資金調達方法について」2005 年 12 月 8 日
4) 日本経済新聞 1988 年 2 月 18 日 長隆「効率的医療経営へ「病院債」を」

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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