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文献詳細

雑誌文献

病院65巻6号

2006年06月発行

文献概要

特別寄稿

医療事故の報告と調査と公表について―私たちは何を求められどのように行動しなければならないか

著者: 相馬孝博1 上田裕一1 井口昭久1

所属機関: 1名古屋大学医学部附属病院

ページ範囲:P.476 - P.479

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 医療の不信が社会に蔓延している現況においては,患者側から見て,診療過程での望ましくない結果は,すべて医療事故ではないか,過失を隠しているのではないか,という懸念が生じているのではないだろうか.「望ましくない結果」には,医療の不確実性の一端として許容されるべきものも含まれているはずであっても,医療者側が診療内容の透明性を確保し,患者との信頼関係を構築していなければ,失敗の弁解や逃避とされてしまうことになる.それでも私たちは,日々の診療を通じて,説明責任を淡々と果たしてゆく以外の方法はない.

 本稿では,いかなる段階においても医療者―患者 ・家族間で開かれたコミュニケーションを行うという大前提のもと,「望ましくない結果」が発生した後に,病院組織として対応するための具体的方法をいくつか提示したい.

参考文献

1) 日本法医学会:「異状死」ガイドライン 1994 http://web.sapmed.ac.jp/JSLM/guideline.html
2) 日本学術会議:報告 異状死等について―日本学術会議の見解と提言―2005 http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-19-t1030-7.pdf
3) オートプシーイメージング学会 http://plaza.umin.ac.jp/~ai-ai/aihp1.htm
4) 国立大学附属病院における医療上の事故等の公表に関する指針 http://www.umin.ac.jp/nuh_open/H17shishin.pdf
5) 加藤良夫,後藤克幸:医療事故から学ぶ,p89,資料 1 名古屋大学附属病院医療事故調査報告書,中央法規出版,2005
6) 相馬孝博(監訳):患者安全のシステムを創る―米国 JCAHO 推奨のノウハウ.p29,医学書院,2006  (原題 The Phycisian's Promise-Protecting Patients from Harm)
7) 相馬孝博:医療安全における「分析手法」の考え方・選び方.病院 62(11):932-937,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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